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書評の予告 「プーチン 人間的考察」  文科系

2015年07月03日 13時04分15秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 今「プーチン 人間的考察」という本を読んでいる。藤原書店、北海道大学名誉教授(北大スラブ研究所教授を経た方で、ソ連ロシア研究専攻とあった)・木村汎(ひろし)氏の著作だ。この4月30日発行でハードカバー本文556ページプラス資料という最新にして大部の書である。その資料も人名索引、事項索引、年表、注と、全66ページ。この本を、摘要を作りながら五月末から読み始め、今朝まで466ページまで辿り着いた。こんな本だし、値段も5,500円もするしで、皆さんお読みになる機会も持ちにくいだろうということで、今度やや詳しくご紹介してみたい。全13章と「おわりに」のうち、12章以下が残っている状況だから、この一週間以内には一部ご紹介を始められるはずだ。

 この本への僕としての関心はこういうものだった。中国以上にわかりにくいロシアの今を知るために、こんな格好の本はなかろうと。この予想は一面大当たり、当然外れもありと言える。当たりとはこのこと。標記の著作題名通りで、謎の人物とされているプーチンの「人間的考察」については、過去から今年までの世界の膨大な文献、資料も学者らしく渉猟していて非常に詳しく、また興味深い。が、こういう内容、書き方で欠ける部分が多いのも事実だろうと思った。最後まで行っていないことでもあるし、何が欠けるかを語る「広範な力」も僕にはないのだが。例を挙げれば、旧体制のこと、新旧の政治体制そのものは欠け、人々の長い生活習慣、ギリシャ正教の役割などなどもそれら自身は欠けることになろう。ただ、これらについても、プーチンという個人を通して見させてくれる部分は多いのだ。彼が旧体制のKGB出身だから、その組織を通して見える部分などである。また生活習慣などでもロシア農村の男尊女卑、家父長制などが解説されているが、当然プーチン個人の説明という範囲、部分に限ってのことである。人々の長い生活習慣に入り込んでいるはずのギリシャ正教の役割とか旧体制の名残などは、ほとんど分からない。
 なお、エリチィンからプーチンへの政権移行の下りは20世紀(21世紀に3か月入っているのだが)の世界的大事件の一つと思うが、これを内部からみてある下りは、実に興味深かった。

 ご期待に添えるかどうかは分からないが、乞うご期待、お楽しみに! 
コメント (1)
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