休耕田 K.Yさんの作品です
東北を旅行すると休耕田の多さに驚く。さらに、テニスで東郷町から豊明市に向かうと、その途中にも休耕田が至るところにあり唖然とする。高齢化や労働力不足、農地所有者の非農化、米価の下落、米の需要減で、全国的に休耕田が拡大している。
私は一か月半前に、近くの共同農園に入れてもらった。二千坪の農地を無償で借りている。税金の関係で農地として活用する条件で。一五年を経過し、一三人で運営していた。少しの個人農園が与えられ、土曜日には共同作業があり、里芋、サツマイモ、ごぼう、カボチャ、トウモロコシを育てている。
この地の北の外れに休耕田があった。かつての湿田は荒廃し、イグサで覆われ、粘土質で、水はけ悪しと来ている。会長から、畑として開墾するなら個人農園として使っていいと言われた。一区画の十坪を開墾し始めた。
問題点は繁殖するイグサ、粘土質、湿田の三つ。難問だから耕作放棄地となっている。
日当たりのいい湿田だったからイグサが繁殖している。畳表に使用されるイグサは丈も、根っこも長く強靭である。これを除去しないと畑にならない。大規模湿田であれば、ユンボでイグサを剥ぎ取り、トラクターで開墾するが、細長いわずか十坪の湿田は手作業となる。共同農園の耕運機は草が絡み使えない。草刈り機は根っこが残る。スコップで掘り起こすしか手はない。そうしろ。大変だよ、とかつて開墾を試みた先輩は言う。
まず、周囲の溝を掘り起こす。これで外形はイメージできた。次に、湿田の根深いイ草を掘り起こし、いったん外に放り投げる。そのままでは、畑とする土が足らない。イグサの根に絡む土を、こそげ落として、畑としたい場所に戻す。そして、粘土質の土壌の軟化も試みる。日進市農協から無料の籾殻ごみ袋十二袋を頂き、蒔く。粘土質の土壌改良のためのバーク堆肥六袋を入れる。周囲の溝を掘った土の雑草を取り去り、残りの土を入れる。先輩の枯草の堆肥も手押し車で入れる。そしてかさ上げした畑が崩れないように、四方に竹の杭を打ち込み、側面に長い竹で柵を作った。
開墾した畑の手前には里芋、中央は黒豆を育てている。奥は枝豆の種を蒔いた。開墾には一か月を要した。
休耕田の畑化は各地で行われているが、難儀している。なぜなら休耕田とするのは、奥地、湿田、低生産性の土地だから、それを畑化するには相当な作業を要し、採算が取れないからだ。
竹の柵で囲まれた開墾地を見ると愛着が湧いてくる。今日もウグイスが鳴き、土蛙が彼女を呼び、オニヤンマが飛んでいる。