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 セルビア戦、「負けから学べ」(遠藤選手)  文科系

2010年04月08日 04時21分07秒 | スポーツ
 昨夜のセルビア戦、なんという惨めなゲームだったことか。「縦方向のパスが入らないから前に進めない。攻撃にならない」、こういう典型的なゲームだったと思う。特に前半は敵陣内3分の1も進めない感じなのだから、FWの抜け出しもスルーパスもあったものではない。特に中央突破ができない。サイドの突破も単発的で、なかなか上手くいかない。いろんな原因があろうが、先ず確実に言えることを。
・相手のポジション取りも良いのだろうが、それに比べて要するにパススピードが遅いのが先ず第1。「取られる」と感じるから入れられないのだろうし、事実取られてもいたし。
・次いで、前の身方がボールを受ける動きも簡単にマークされていたことも重なるはずだ。パスが遅いなりにも、相手の組織的防御を破るようなボールの呼び込みもできなかったのだと思う。パスの出しどころを常に2つ以上作っていたり、3人目の動きが感じ取られたりすれば、もう少し前へと進めたはずだ。
・また、相手陣内の日本中盤選手へのプレッシャーも凄かった。ちょうど、小笠原が抑えられると鹿島が困ってしまうようなゲームだったとは言えまいか。ボランチ2人と遠藤、中村が徹底的にマークされていたのではないか。
・長いボールも試みられてはいたが、これも簡単にカットされていた。背が高く、マークが上手い相手には通じなかったということだろう。

 対するセルビア選手は、何よりもみんな速い。そして強い。ぶつかる時倒れるのは皆日本選手という感じだった。長谷部、本田、松井がいないと、こういう世界15位などと言う相手は、確かに厳しい。こういう相手に早い段階で先取点を取られると、特にこういうゲームになりやすいのだろう。引いて守られ、カウンターで追加点、さらに引かれて逃げ切られると。

 以上について、昨夜は外国にいた2人の日本人代表選手の過去の言葉を思い出す。1人は長谷部。
「速い縦パスがないと攻撃にならない。ドイツで強いチームとやった時つくづく感じたことです。自分の防御に自信ができてからはこれに取り組み、やっと攻撃にも自信が出てきました」
 この長谷部が居たらなーと、代表チームに長谷部が入った時に強豪チーム相手にも攻撃が前に進んだという記憶が蘇ってきたものだ。稲本や阿部は、この長谷部の境地には立てていないと思うしかない。岡田監督のゲーム後の言葉も、長谷部不在の大きさを語っていたのではないか。
『メンバーが欠けてしまうと、同じ戦い方では厳しいということが分かった。もう少しできると思っていた』
 ただ岡田のこの言葉、選手を固定してやってきた彼としては、責任逃れだと思う。阿部や徳永や槇野に、ご自分がどれだけの機会を与えてきたのか、胸に手を当てて考えると良い。
 もう1人は本田圭佑で、一昨日のインテル戦。「(攻めに)行ったら取られる、としか頭をよぎらなかった」。これは相手の組織的防御が上回っているという、格上のチームを目の前に実感した選手の率直な感想なのだと思う。

 ただし、かろうじていくつかの収穫はあった。まず、怪我などで今まで出られなかった石川直宏のこと。彼のスピードは、このクラスの相手にも通用すると分かったことである。右の彼が右サイドバックと組めば、相当の相手でも崩せると分かった。また、左サイドバックの長友のドリブルなどの戦闘的攻め上がりも及第点だったかと思う。「闘う、長友!」は、やはり左サイドの松井と組めば面白かろう。こうして、「サイドで連携しあって前へ進める」、こういう相手に対する1つの闘い方は、はっきりした。 
 
それにしても情けないことだ。監督の責任だと思う。日本の中盤選手は世界水準であって、持っている物は決して悪くはない。そういう彼らに、格上のチームに対する速いパスの出し方、ボールの進め方を教えられなかったとは! セルビアの選手が確かに優秀だったのは認めるけれど。
 選手達が可哀想で仕方ない。ワールドカップに向けての志気が挫かれてしまった「壮行ゲーム」! 遠藤が言うように、「こういう負けゲームから学ぶ(とは、オシム監督が強調したことだ)」はできるだろうか。長友が言うように「時間がない。間に合わなくなる」前に。
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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
カジュさんへ (文科系)
2010-04-08 05:04:00
 17日のことでご確認です。
 前の時と場所でよろしいですね。とても楽しみですが、困ったことが1つ。グランドスラムが当日貸し切りで、別の所にしました。すみません。
 当日は合計3人で、券はもう買いました。
 よろしくお願いいたします。

 
 
 
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Unknown (TAT)
2010-04-08 19:17:19
個人レベルであれだけ負けていては、誰が監督でもさして変わらなかったでしょう。
セルビアは二軍(三軍?)で、監督も補佐が代行する急増チームでしたが、シンプルで効果的なサッカーができていたように思います。
石川は‥早さで逃げ回るのには成功していたようですが、そこで走り過ぎて、あのシュート‥
Jリーグの温い笛とDFでは通用しても、世界レベルでは、「まだまだ」なんではないかと。
肉食獣に追い回される小動物みたいでしたね。
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TATさん (文科系)
2010-04-08 20:52:58
 あなたの肉体至上主義にはほとんど賛成できません。よって、誰が監督やっても日本人は、というのも、賛成できません。

 守備については、強さや高さがある程度は必要とは思います。でもカンナバロは決して大きくないしプジョルもそれほどではない。強さは要りますが、あとはジャンプとスピードで補えるのだと思います。それ以上に技術でしょう。 逆に日本人でも長谷部はどうですか。マンUやバイエルン相手に互角にやっている。守備には特に自信も持ってます。ただし、ドイツへ行って軍隊式トレーニングを鬼のマガトに毎日やらされたそうですが。

 攻撃は全く、肉体至上主義だけでは理解できないはず。イブラとかエトーとかは身体以上に技術だし、メッシ、ルーニー、インザキ、バッジョは身体もないし。

 僕が代表監督なら、上に書いた知識を応用し、日常的個人メニュも含めて、対策しますね。全般的に強さと速さを求め、特に守備に強さを求めますが、攻撃は速さ中心でも良いと思います。

 石川が逃げ回っていたと言うのには賛成できません。「敵をかわしつつ、そのスピードでもって常にゴールに向かっていた」というべきです。あの相手に45分で3本シュートを打ちましたから。
 
 
 
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色々見えたもの (カジュ)
2010-04-08 22:22:59
いつもながら文科系さんらしく理論的な分析で楽しかったです。おおむね共感できることばかりでした。特に石川については一番の光明でしたよね。石川らしからぬシュートミスはありましたが、スピードとスタイルは十分通用していました。

僕が特に感じたのは守備の面で、文科系さんも言及されている、「阿部や徳永や槇野に、ご自分がどれだけの機会を与えてきたのか」この部分です。
今の日本の戦術は、特に昨日の試合を見るに「高くコンパクトに全員攻撃」と「カウンターされないように安定した守備」の二つのバランスを取るのがとても難しいことをやっていると感じます。この二つが両立できているのは、戦術の浸透と実戦経験によって選手間のポジション取りの意識が共通できているからだと思います。
それが、昨日はバランスがまったく取れていなかった。特に栗原・阿部・徳永・稲本がポジション取りに迷っていてその隙をつかれて何度もピンチを招いていたように見えました。

その原因はまさしく、今まで固定メンバーでやりすぎて他のメンバーを育ててこなかったからでしょう。昨日の発言は僕も責任逃れに聞こえました。
その代わり、固定メンバーにとっては十分試合経験を積むことができてきたわけで、本番で怪我人等が出なければ結果的には良かったことになりますけど・・・危険すぎる賭けですよね。
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17日の件 (カジュ)
2010-04-08 22:25:13
はい、時間と場所そのままで大丈夫です。
他の場所になったこと、了解しました。
とても楽しみです。
よろしくお願いいたします。
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カジュさん ( 文科系)
2010-04-09 06:16:40
 サッカー会話は特に楽しいが、あなたとのはさらに特別です。改めてそう感じました。今回は特に、この部分がよいと感じました。
【「高くコンパクトに全員攻撃」と「カウンターされないように安定した守備」の二つのバランスを取るのがとても難しいことをやっていると】
 これが多分、ゲームによって大変大きなムラがあることの原因なのでしょう。ジーコもムラがありましたが、なぜこんな事になったのか? ここを協会が分析できないと、次の監督選びも失敗すると思います。これについて少々。

 岡田の失敗は、もう見えたようなもんだと思います。なんの世界的経験、実績もなく理論的にだけやってきた彼が、理論的に間違えたとはっきりしているのだから。どこを? 一例がこれ。長谷部、中沢、トゥーリオの誰かに何かあったら、終わりです。岡田が自覚しているかどうか知らないが、石川、本田に何かあっても得点力が半減すると思います。どうしてこんなことになったのか。

 集団球技は相手と己の相対的強み弱みのぶつけ合いです。そこを十分認識してから全てを始めないといけない。ジーコも岡田も「そういう論理」がなくて、「長所を伸ばすという試行錯誤」だけに頼ってきたのではないでしょうか。だから「意外な事実、発見」にぶつかってばかり。
 こういう点で、オーストラリア戦のあとジーコが呆然としてこう語ったのが僕には極めて印象的でした。「こんなに疲れ切った選手たちを見たのは初めてだ」。悪いゲーム後に岡田が語ってきたことも、結局こんなのばかりです。試行錯誤は劣等生の勉強方法。優等生は、「傾向と対策」から始めます。

 岡田が監督になって最もやるべき事は、こういうことだったはず。ヒデ、俊輔、最近では長谷部に「彼我の違いの体感史」などについて徹底的に質問すること。これだったはずです。すると、相対的長所伸ばしは岡田のやり方で良かったと思うけど、相対的短所消しについては「個人スピード」、そして「小さくても強さ」が絶対的条件になったはず。長谷部の強みが前者ですし、ナカタの強みが後者でした。長谷部は渡欧後しばらくして「ナカタがどうしてあれだけやれたか?」が分かったそうです。
 なお、俊輔と小野ですが、典型的な「日本人選手」です。技術と技術的スピードの選手で、西欧人から見たら「瞬間的スピード選手」になるんだと思います。この点や「組織的スピード」は、ナカタも長谷部も西欧的ではトップクラスなのではないでしょうか。

 岡田はこういう短所をカバーしないで、長所伸ばし中心にやってきたのではないでしょうか。いつかここで、「岡田の誤り」を書いてみたいです。
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