たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

ヒルティ著『眠られぬ夜のために(第二部)』より

2015年09月30日 22時44分17秒 | 本あれこれ
「十月二十八日

 なにか争いごとの際には、より多く正しいがわの人が、まず、すこし譲ってやらねばならない。そうでない相手がわは、ゆずることなどとてもできないのが常である。なぜなら、不正というものは、強い奴隷のくさりであって、奴隷みずからそれを断ち切ることは、とうていできないからだ。
 だから、相手がまだそうすることを許すうちに-というのは、あなたに対して彼の意志はまだ自由なのだからー、あなたの方から譲って彼に力を貸してやるがよい。」

(ヒルティ著、草間平作・大和邦太郎訳『眠られる夜のために(第2部)』岩波文庫、1973年発行、243-244頁より)


「十一月十三日

 思想や仕事の上で、時にはみのりゆたかな時期があるかと思えば、また時には精神が休息して新しい力をたくわえる冬のような時期もある。あなたは、このような時期を、神からさずけられた休憩時間として、こころ安らかに感謝して受け取りなさい。かかる休憩期間は、人生において時おり現れるもので、死において初めて現れるものではない。死はむしろ新しい、より偉大な活動のはじまりであろう。」

(259-260頁より)

 さんざん苦労させられた挙句に本当のお休み時間もないまま、ようやく前に進まなければとがんばろうとしています。一日一日、深い思いの中で生きている感じです。妹が守ってくれている、背中を押してくれている、という思いが私を支え続けています。わかちあいの会に参加させていただくと、混乱の内容を詳しく話すことはできないので人に伝えづらいところがありますが、こんな支えがなければとうていやり抜くことはできなかった、本当に苦しい道のりを歩みましたが、権力に対して私はひるみませんでした。自分の尊厳を守り抜くために必要なことだったと思います。これが絶対に正解だという答えはどこにもないので、私自身が決めればいい。これでよかったんです。
 縁あって声を載せていただいた新聞のウエブサイトとツィッターで一日のニュースをチェックします。毎日毎日むずかしい心配なことばかり。本当に危ないです。この目で見たので身をもってわかります。本当に危ないです。普通の暮らしを取り戻したいです。普通の暮らしが続きますように。毎日心の中で祈り続けています。

眠られぬ夜のために〈第2部〉 (岩波文庫)
ヒルティ
岩波書店