宝塚歌劇の殿堂-第18回企画展「柴田侑宏展」
https://kageki.hankyu.co.jp/theater/takarazuka/fame.html
「半世紀に渡って宝塚歌劇の発展に大きな功績を残した演出家・柴田侑宏は、日本の古典からヨーロッパなどの近代文芸まで幅広い作品を手掛けてまいりました。本展では、柴田侑宏の人物像ならびに数々の名作を、貴重な資料や映像などでご紹介し、その功績を振り返ります。また、各組の公演期間に合わせて、トップスターの等身大パネルと共にフォトスポットやダイジェスト映像などもお楽しみいただけますので、皆様のご来場を心よりお待ちいたしております。」
2020年1月28日、雪組『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』観劇前に訪れました。急ぎ足でみたのでスマホの画像がブレブレなのは相変わらず、雰囲気だけでも伝わればと思います。星組のバスツアーも迷った末申し込んでいたのでまた次の機会もあることを当然のように思っていましたがコロナでなくなってしまいました。新生星組公演、わたしコロナで東西あわせて3回とんだことになります。東から宝塚大劇場は遠いので「柴田侑宏展」、貴重な1回きりの機会でした。
秀麗で甘美な台詞、魅力的な主役像を、稽古場に巣食う
演劇少年から演出家へ
柴田侑宏作及び演出作品一覧
『あかねさす紫の花』より
『激情』より
『琥珀色の雨にぬれて』より
フォトスポットは『琥珀色の雨にぬれて』のだいきほでした。
『アルジェの男』より
『黒い瞳』より
雪組だけが再演した作品『星影の人』
雪組で初演『仮面のロマネスク』
雪組単独での初大劇場作品『伊豆の頼朝』、雪組で初演『うたかたの恋』
轟悠が文化庁芸術祭賞演劇部門優秀賞を受賞『凱旋門』
芸術選奨文部大臣新人賞を受賞『フィレンツェに燃える』
雪組で上演された柴田侑宏作品
雪組で上演された作品の公演プログラムと小道具たち
晩年のトレードマークとなった帽子、サングラスなど愛用の品々と手書きの脚本
わたしが今年みただけでも、月組『赤と黒』、オンデマンド配信で星組『うたかたの恋』、月組『黒い瞳』、ライブ配信で雪組『炎のボレロ』。雪組初演『仮面のロマネスク』、宙組初演『激情』を観ているので全国ツアー公演で再演されていると知った時はすごく嬉しかった。先日の『炎のボレロ』ライブ配信の観劇ブログに書いたように、先生、ロマンティストでしたね。いつまでも夢をみる少年のようなところを晩年までずっとお持ちだったのかなと。だから、ことばの泉はあせることなく、甘美で美しい台詞を生み出し続けることができたのかなとここまで生きてきてから思います。現実的に考えたらどろどろで、主人公がどうしようもない男性だったりしても柴田先生の手にかかると屈折した心情をあますところなく描き出し、無駄なく、宝塚の美しい世界観に昇華されて、歌詞を彩る美しいメロディーラインと共に心に残り続ける。作品によっては古いと感じさせるものがあるかなあとも思いますが、宝塚の歴史が200年へと続き、柴田作品が宝塚の財産としてこれからも繰り返し上演されていくことを祈ります。
1月28日の宝塚大劇場