たんぽぽの心の旅のアルバム

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『心の健康を求めてー現代家族の病理』より-女性の社会進出と同一性形成-仕事をもつ女性の増加

2024年01月31日 01時26分41秒 | 本あれこれ

「仕事をもつ女性の増加-

 1993年9月5日付の朝日新聞は、仕事をもつ女性の割合が初めて5割を超えたことを報じている。それによると、《15歳以上の男女のうち、定期的に仕事をしている有業者の割合は、男性が77.6%、女性が51.0%となった。女性の有業者が5割を超えたのは1956年の調査開始以来初めてのこと。女性の有業者は74年の44%を底に上昇傾向をつづけ、前回(87年)より2.8ポイント上昇した。年齢別では、「25-29歳」で7.8ポイントともっとも上昇したほか、50歳代も6ポイント余り増えた。20代後半の上昇について、総務庁では同年代の未婚率の上昇が影響しているとみている》という。

 また、平成8年度厚生白書によると、わが国では出産後も就業を続ける方がよいとする者は26.3%で、欧米に比べるともっとも少ないが、そう考える女性の割合は急速に増加していると述べている。「子どもができたら職業をやめ大きくなったら再び職業をもつ方がよい」とするものまで含めると、実に7割を超すのである。

 1986(昭和61)年に男女雇用機会均等法が施行され、さらに1992(平成4)年に育児休業法が制定され、さらにまた1995年から均等法の見直し作業(女子保護規定を緩和・撤廃し、女性の時間外労働や深夜作業を認めるなど)が進むにつれて、今や、女性の社会進出は単なる運動の域を越えて現実の状況となった感がある。

 問題は、こうした時代的、社会的状況で果たして女性が変わったかどうかである。」

(牛島定信『心の健康を求めて-現代家族の病理-』慶応義塾出版、1998年11月15日初版第一刷、106-107頁より)

 

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