行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

ユニクロの光と影

2013-03-05 23:01:26 | Weblog

ユニクロの開発したヒートテックと薄手のダウンジャケットで今年の冬はゴルフができたし、外出も苦にならず、年寄りにとって有り難かった。安価で軽く、かつ保温保湿という素晴らしい製品を開発してくれた。年末の売上げも二桁以上伸び、2月の国内ユニクロ事業の既存店売上高もが前年比9.6%増と好調だった。また、株価を押し上げ日経平均株価上昇への寄与度も高い。

世界の長者番付の報道があり、日本人では、「ユニクロ」の柳井正会長兼社長が133億ドル(約1兆2千億円)で、66位にランク入りした。パリのオペラ座に隣接するビルにユニクロが開店し、中国、韓国、東南アジアでも 店舗を増やし、まさにバラ色の企業と見える。

ところが、東洋経済の最新号ではユニクロ店舗での凄まじい労働が報道された。
「日曜日は毎週徹夜でしたね。店を閉めてから、朝までレイアウトの作業計画を作っていました」。元社員(20代女性、以下Aさん)は話す。別の元社員(20代女性、以下Bさん)も言う。「とにかくマニュアルを覚えることと、大量の業務に追われていた。ひたすら品出し(陳列作業)と商品整理の毎日だった」「長いときは、開店から閉店業務までずっと店舗にいる。それは正社員ならザラですね」(Bさん)
月間時間外労働は80時間、総労働時間240時間で制限されているが、日本人以外でこのような長労働時間はできないだろう。これを超えると懲戒処分となるのでそれ以上はサービス残業となる。
店長になると時間外手当は付かず、給料については「店長になっても年収400万円程度だった」(Cさん)。

普通の洋服屋に行くと、店員がぶらっと立っていていらっしゃいませと言う。ユニクロに行くと店員は絶えず山のような商品の整理をしている。在庫は全部展示する主義だから、お客がいじり回した多くの商品を絶えず整理しなくてはならないのだろう。先端ファッション企業の光と影だ。

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