行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

トヨタ社長、満額回答を安倍首相に報告??

2013-03-14 22:23:56 | Weblog

 安倍晋三首相は14日、首相官邸でトヨタ自動車の豊田章男社長に会い、春季労使交渉で年間一時金(ボーナス)を満額回答したことなどの報告を受けた。首相は「トップ企業としてそういう姿勢を示したことはありがたい」と、謝意を伝えた。という報道、ここまで演出するのかとあきれ反ってしまった。

豊田社長は自動車工業界の会長を務めているとはいえ、一企業の春闘の回答を官邸にまで行って報告するとは前代未聞、また分刻みのスケジュールを割いて安部首相がこの回答に有り難うというのもできすぎている。皆がボーナスが増えてハッピーなら結構だが、これから回答をむかえる大多数の中小の労働者にどう波及させるのかシナリオを書いて貰いたい。

金属労協の回答を見ても、賃金は定昇のみで業績の良い企業は一時金のアップで対応している。97年以来賃金が年収ベースで下がり続けてる大きな原因は一時金が業績に比例して伸びてないことだったので、今回の一時金回答ブームはそれをカバーすることだろう。しかし、そもそも年間一時金のない35%を占める非正規労働者はどうやったら年収を増やせるのだろうか?

安部首相をはじめ官邸は非正規労働者にも一時金を支給をというムードをむしろ演出して欲しいし、一方で最低賃金の大幅改善(こちらは職権でやりやすい)に取り組んで貰いたい。それができて初めて賃金増による消費の拡大、デフレからの脱却が実現する。

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