行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

軽減税率は8%でなく5%に

2014-12-05 23:53:22 | Weblog

消費税の軽減税率を唯一取り上げていると自負している公明党、山口代表が8%と具体的な数字をあげた。他の政党がほおかむりしているのに軽減税率を取り上げたことは評価出来るが、低所得者対策としてはパンチ不足で、これでは消費を喚起できない。例えば食料品の税率8%は世界で最も高い税率になっているからだ。20とか25%の付加価値税率の欧州でさえ食料品は5%前後で、本来なら4月に8%増税したときに5%の軽減税率を採用すべきであったのだ。財務省の圧力で軽減税率を誰も言い出せなかったことが円安と相まって低所得者が消費を控え、スーパーの売り上げが低迷し、結果的に景気は後退した。

財務省が日銀と組んで10%消費税実施の既定路線化をもくろみ、10月までは筋書き通りだった。ところが2期連続GDPがマイナスとなり、安部首相はたまらず延期とした。米国では2期連続GDPがマイナスになるとリセッション(景気後退)というのだが、首相はアベノミクス政策の失敗とは認めず、一言も言わない。

今回の消費税増税延期は安部・黒田の関係から言えば、安部は財務省に借りを作ったことになる。従って軽減税率に反対している財務省のことを考えれば、安部自らは言い出しづらいから友党である山口が言っている図式だが、山口代表も軽減税率実現を目指すと言っており、自信のなさがにじみ出ている。ここへ来て、そうしたことを突かれ、仕方なく8%という数字を出しのだが、数字を出す以上は正論である5%にすべきだった。禍根を残すことになる。

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