行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

黒木瞳の「嫌な女」といい女

2016-07-01 23:38:00 | Weblog
黒木瞳が映画を創ったと聞き、久しぶりにMOVIXで映画を見た。舞台は街の弁護士事務所、そこの地味で生真面目で表情のない弁護士徹子と結婚詐欺を含めやりたい放題の生活をしてるいとこの夏子が主役、夏子が詐欺で訴えられると徹子に解決を持ち込むと言う筋立て、如何にも嫌な女の夏子だがその天真爛漫さに男達は欺されても幸せと感じてしまう。老人病院では、夏子はある老人のため毎日介護に通いその献身さで実の息子より気に入られ、ついには相続にあり付く、付き添ってた徹子はまたかと嫌な感じがするが、老人の夏子への思いと夏子の真剣な介護を見て遺言書を作成する。隣のベッドの老人は徹子に別れた妻への遺言を託す。新発見したのはデジカメによる動画の威力だ。老人の元妻へのとつとつと感謝、謝罪の呼びかけを動画に撮り、後に元妻に見せ感謝される。詐欺事件でも犯人の供述を動画に撮り、事件解決の手段としている。
 
弁護士事務所では徹子と夏子の異常な行動がもとで口論やつかみ合いとなる場面があるが、そこにいい女の事務職員みゆきが登場し、徹子をあるときは慰め、あるときは激励し、徹子は少しずつほほえむ女に変わって行く。表情のない吉田羊の徹子とコミカルな木村佳乃の夏子は当たり役だ。それもあって黒木瞳監督の初作品は成功といえよう。助演陣もベテランを揃え充実している。黒木は最初、徹子役を自分がやろうと思ってたかもしれないが吉田羊でよかった。
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