石原慎太郎が田中角榮は天才だという本を出して以来、角榮本が相次いで出され、角榮を見習いたい等と言う現役国会議員も出て来るくらいのブームだ。田中角榮はロッキード事件で5億の金を受け取り、逮捕され、受諾収賄罪等が確定された。首相の犯罪であり、当時の政治家の金権体質の権化だった。この5億円事件は氷山の一角で、たまたま?米国議会でロッキード問題が発覚したから表に出て石原は運が悪かったと評している。列島改造論で土木建築業界からの献金、裏金など多くの政治家が懐を潤したまさに巨悪の犯罪が当たり前の時代であった。一例を挙げると、角榮の子分で自民党の幹事長、副総裁を務めた金丸信は佐川急便からの5億のヤミ献金を受け取り、東京地検特捜部により政治資金規正法違反で略式起訴され、東京簡易裁判所より20万円の罰金で済んだ。ところが税務署が脱税容疑で家宅捜査したら金の延べ棒を含め数十億の隠し財産が発覚した。
こうした巨悪の政治家を美化し、銅像まで建てている日本人の政治感覚は情け無い。今月上旬欧州に滞在したが、BBC放送は「イラク参戦が正しかったか検証する独立調査委員会の報告書」で当時のブレア首相の政策判断が間違っていたと指摘していた。ブレア元首相は「嘘はついてないがフセイン政権が大量破壊兵器を保有しているという間違った情報に基づき米軍に歩調を合わせ侵攻した」とし、過ちを犯したと謝罪している。
米国でも、ウオーターゲートスキャンダルで犯罪者となったニクソン元大統領を美化したり、評価することはない。
政治と金の問題はつい最近も舛添前都知事の政治資金規正法違反が問われており、角榮評価本より金権調査委員会でも立ち上げ、政治資金規正法をどう改正するか議論し報告書本を出して貰いたい。