バイオリンの音色が、弾く人によって変わることを疑う人はいないと思うが、ピアノの音色(音量は同じとして)がタッチによって変化するのかどうかについては、長らく疑いをもたれていた、らしい。
←リクツはともかく、変わるのよ!! でも実際上は問題ない
たとえば、私の手元にある本で「ピアノ・ノート(チャールズ・ローゼン著)」というたいへんすぐれた本の中にもこんな一節が:
「ピアノは強く弾くか弱く弾くか、速く弾くか遅く弾くかのふたつを除いて、ほかにできることはない。ピアノで弾くひとつの音符にはフォルテかピアノか、長いか短いかしかなく、絶対的に美しい美しい音というようなものは存在しない。何世代にもわたる無数のピアノ教師が信じているのと違い、どんなに優雅に鍵盤を押してみても、その結果出る音にはなんの違いも生じない。」
これに続けて、美しいかどうかは単独の音の音色で左右されるのではなく、フレージングや和声によって…すなわち、音楽全体のバランスとして作られるということを言っている。脱力がなぜ大切かというと、たとえば和音の音のひとつひとつの音量を自在にコントロールできるようにするには、がちっと弾いていてはできないからである、と。
音色が変わる理屈が説明できなかったので、ここから離れるわけにはいかなかったのでしょうね。でもやっぱり経験的に、きれいな音、きたない音とかあると思ってたんじゃないの?? という気もしないでもない。どうなんだろ。
この件については「ピアニストの脳を科学する」の本の中でもはっきりした決着がつけられている。
物理的に違いが生じる部分として、「ハンマーのしなり」というのがあって、打鍵のスピードが同じで音量としては同じであっても、鍵盤の加速のしかたによってこのしなり具合が変わり、その結果、倍音成分に違いが出るということが測定でき、またその違いは、人間の耳にも聞き分けられるものであることがわかったとのこと。
それで、その違いってのは、硬く打鍵すれば高い周波数の成分が多い→硬く弾けば硬い音ってことで、なんだこんな大掛かりな実験するまでもなく、経験則とおんなじじゃーん、なんて言わないでくださいね(^^) クリアに決着ついてよかったでしょ。
それと、タッチ・ノイズ(指が鍵盤に当たる音)や、鍵盤が底に当たるときに生じる雑音(内藤先生が「下部雑音」といっていたもの?)が混ざることによって聞こえ方が変わるということも紹介されている。
というわけで、ちゃんと弾き方で音色は変わるんです。あとは、それを信じて、自分の耳を頼りにほしい音を探す!! だけ!!(^^;;
ところで、「挑戦するピアニスト(金子一朗著)の中では、「確かに音響物理学的には、ピアノで音色を変えることは困難であろう」としつつ、物理的に音色が変わらなくても印象を変えることはできるとして、「実践的(っつーか、うまい人にとっては実践的であろう)」なアドバイスを書いている。やはり、理屈を重んじる人ほど、物理的にもピアノの音色はタッチで変わる!! とは明言しづらかったのでしょう。
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これに続けて、美しいかどうかは単独の音の音色で左右されるのではなく、フレージングや和声によって…すなわち、音楽全体のバランスとして作られるということを言っている。脱力がなぜ大切かというと、たとえば和音の音のひとつひとつの音量を自在にコントロールできるようにするには、がちっと弾いていてはできないからである、と。
音色が変わる理屈が説明できなかったので、ここから離れるわけにはいかなかったのでしょうね。でもやっぱり経験的に、きれいな音、きたない音とかあると思ってたんじゃないの?? という気もしないでもない。どうなんだろ。
この件については「ピアニストの脳を科学する」の本の中でもはっきりした決着がつけられている。
物理的に違いが生じる部分として、「ハンマーのしなり」というのがあって、打鍵のスピードが同じで音量としては同じであっても、鍵盤の加速のしかたによってこのしなり具合が変わり、その結果、倍音成分に違いが出るということが測定でき、またその違いは、人間の耳にも聞き分けられるものであることがわかったとのこと。
それで、その違いってのは、硬く打鍵すれば高い周波数の成分が多い→硬く弾けば硬い音ってことで、なんだこんな大掛かりな実験するまでもなく、経験則とおんなじじゃーん、なんて言わないでくださいね(^^) クリアに決着ついてよかったでしょ。
それと、タッチ・ノイズ(指が鍵盤に当たる音)や、鍵盤が底に当たるときに生じる雑音(内藤先生が「下部雑音」といっていたもの?)が混ざることによって聞こえ方が変わるということも紹介されている。
というわけで、ちゃんと弾き方で音色は変わるんです。あとは、それを信じて、自分の耳を頼りにほしい音を探す!! だけ!!(^^;;
ところで、「挑戦するピアニスト(金子一朗著)の中では、「確かに音響物理学的には、ピアノで音色を変えることは困難であろう」としつつ、物理的に音色が変わらなくても印象を変えることはできるとして、「実践的(っつーか、うまい人にとっては実践的であろう)」なアドバイスを書いている。やはり、理屈を重んじる人ほど、物理的にもピアノの音色はタッチで変わる!! とは明言しづらかったのでしょう。
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