「パリの香り、夢みるピアノ」(中井正子)の続きの話。
←フォームを変えるってたいへんなことだよね
卒業試験で弾く曲は、「クープランの墓」を中心にすることになった。ショパンやシューマンだと、二人の先生の言うことが食い違うことがあるけれど、ラヴェルだとほとんど一致するのだとか(ラヴェルが亡くなってすぐのころに学んだ先生方だからか?)。
卒業試験では「一等賞(プルミエ・プリ)」を目指していたのだけど(これは、一人だけという意味ではなくて、そういうレベルをクリアしたということ)、結果は「プルミエ・ノンメ・ユナニミテ」。審査員全員一致の一等賞主席だって!! すごい。
しかし、研究科に進み、国際コンクールを次々受けるようになると、スケジュールがきつくなり、手や体への負担も増える。そしてだんだん、手の痛みに悩まされるようになった。
パリ国立高等音楽院で「プルミエ・ノンメ・ユナニミテ」を取るくらいだから、変なガッツン弾きをしていたわけはもちろんなく、素晴らしくきれいに弾けてたのだろうけど、本人的には、そのときも「クープランの墓」の「トッカータ」ではちょと痛かったのだそうだ。しかしそれを先生に言っても「あなたは手が小さいし、仕方ないわよ」という感じだった。
中井さん自身は、「痛みの原因は、手が小さいからではなくて、弾き方にあるのでは」とそのころから思っていて(トッカータは、手を広げることではなくて、連打が問題だから)、でもそのころは弾けていたのが、
「二十代になると体がだんだん硬くなり、十代のときには弾けたラヴェルのトッカータが、弾けなくなってきた」
二十代でもう問題!? めっちゃ若いやん
でも、同じくパリ音楽院を卒業した同期たちも、その多くが手の痛みを抱えていたのだそうで、やはりコンクールを目指すなり、プロとして演奏を続けるなり、そこまでハードに弾きまくるとよほど自分の体とレパートリーにふさわしい弾き方をしていない限り故障しやすくなるらしい。
それで一念発起して、ピアノを弾くときの手や筋肉の使い方まで踏み込んで教えられる先生のレッスンを受けに行くことにした。その先生はロンドンにいて、中井さんはパリだから(ロンパリw)通うのたいへんなんだけど、初めてレッスン受けたとき、先生の指先から紡ぎ出される音の美しさに衝撃を受けた中井さんは熱心に通った。
フォームを根本から変えるのはほんとうにたいへんなことで、いっときは簡単な曲も弾けなくなる。理解するのもたいへん、それを自分のものにするのはもっとたいへん、一切の演奏活動を休んで指導を受けるのが理想かもしれないけどそんなこともできず、それまでのテクニックでだましだまし演奏しながら、新しい弾き方を少しずつ身につけていった。
定着するには何年もかかった。
その後、十年、二十年と過ぎて、年齢は「二十代」どころじゃなくなり(^^;; 体力は落ちてくるけれど「学生時代に弾けなかった部分が、いまは楽々弾けている」というので、それはもう本物なのだろう。
弾き方改造、楽にきれいに弾けるようになる、というストーリーは、おゆき先生や、megumi先生から聞くのとまさに同じ。音大では、それがたとえパリ国立高等音楽院であっても、生涯使える正しい奏法を教えているというわけでもないようだ。ほんとたいへんなんだね…
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「発達障害グレーゾーン まったり息子の成長日記」ダイヤモンド社
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卒業試験で弾く曲は、「クープランの墓」を中心にすることになった。ショパンやシューマンだと、二人の先生の言うことが食い違うことがあるけれど、ラヴェルだとほとんど一致するのだとか(ラヴェルが亡くなってすぐのころに学んだ先生方だからか?)。
卒業試験では「一等賞(プルミエ・プリ)」を目指していたのだけど(これは、一人だけという意味ではなくて、そういうレベルをクリアしたということ)、結果は「プルミエ・ノンメ・ユナニミテ」。審査員全員一致の一等賞主席だって!! すごい。
しかし、研究科に進み、国際コンクールを次々受けるようになると、スケジュールがきつくなり、手や体への負担も増える。そしてだんだん、手の痛みに悩まされるようになった。
パリ国立高等音楽院で「プルミエ・ノンメ・ユナニミテ」を取るくらいだから、変なガッツン弾きをしていたわけはもちろんなく、素晴らしくきれいに弾けてたのだろうけど、本人的には、そのときも「クープランの墓」の「トッカータ」ではちょと痛かったのだそうだ。しかしそれを先生に言っても「あなたは手が小さいし、仕方ないわよ」という感じだった。
中井さん自身は、「痛みの原因は、手が小さいからではなくて、弾き方にあるのでは」とそのころから思っていて(トッカータは、手を広げることではなくて、連打が問題だから)、でもそのころは弾けていたのが、
「二十代になると体がだんだん硬くなり、十代のときには弾けたラヴェルのトッカータが、弾けなくなってきた」
二十代でもう問題!? めっちゃ若いやん
でも、同じくパリ音楽院を卒業した同期たちも、その多くが手の痛みを抱えていたのだそうで、やはりコンクールを目指すなり、プロとして演奏を続けるなり、そこまでハードに弾きまくるとよほど自分の体とレパートリーにふさわしい弾き方をしていない限り故障しやすくなるらしい。
それで一念発起して、ピアノを弾くときの手や筋肉の使い方まで踏み込んで教えられる先生のレッスンを受けに行くことにした。その先生はロンドンにいて、中井さんはパリだから(ロンパリw)通うのたいへんなんだけど、初めてレッスン受けたとき、先生の指先から紡ぎ出される音の美しさに衝撃を受けた中井さんは熱心に通った。
フォームを根本から変えるのはほんとうにたいへんなことで、いっときは簡単な曲も弾けなくなる。理解するのもたいへん、それを自分のものにするのはもっとたいへん、一切の演奏活動を休んで指導を受けるのが理想かもしれないけどそんなこともできず、それまでのテクニックでだましだまし演奏しながら、新しい弾き方を少しずつ身につけていった。
定着するには何年もかかった。
その後、十年、二十年と過ぎて、年齢は「二十代」どころじゃなくなり(^^;; 体力は落ちてくるけれど「学生時代に弾けなかった部分が、いまは楽々弾けている」というので、それはもう本物なのだろう。
弾き方改造、楽にきれいに弾けるようになる、というストーリーは、おゆき先生や、megumi先生から聞くのとまさに同じ。音大では、それがたとえパリ国立高等音楽院であっても、生涯使える正しい奏法を教えているというわけでもないようだ。ほんとたいへんなんだね…
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