カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

黒い医者の苦悩

2016-05-04 12:02:58 | 依頼です、物書きさん。
数年前の過去から来た医者と論説好きの無神論者が理不尽な現実から幸せな夢へ逃げる話

 医療によって傷病という淘汰から逃れた命の集積がいずれ地球を食い潰すのだとしたら、一体医者は何の為に存在するのでしょうね。そんな医者の戯言に彼は『木々は枯れ、鉄は錆び、築き上げたものは必ず倒れる、そこに己なりの意味を、呪いでも救いでも好きに見出して進む以外の道があるか?』と笑ってみせた。
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深淵を覗く者は

2016-05-04 11:57:45 | 依頼です、物書きさん。
加害者意識の強い幼稚園児と紳士的な初老の男が始めてしまった夜明けのこない百物語

 僕は悪魔なんだよと言う幼児の言葉を、老紳士は真に受けなかった。すると幼児は僕の話を聞いたら考えが変わるよと続け、老紳士は話を聞き始めたが、その少年が自ら行ったという狡猾で残忍な内容の打ち明け話は確かに悪魔と呼ばれるに相応しいものだった。それでも尚、老紳士は怯む事なく話を聞き、やがて世界に朝が訪れた。

 訪れた、筈だった。
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