カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

八十冊目・『高き大都会の愛憎』

2018-07-01 22:28:04 | サスペンスはお好きですか?
たかあきは『高き大都会の愛憎』事件を解説してください。

 父に捨てられた母は、それこそ雑草を噛み泥水を啜るような苦労を重ねながら僕を大学まで行かせてくれたが、僕が大企業に就職した直後、力尽きるように死んだ。そして現在、ありとあらゆる手段を使って出世街道の上り詰め結果、自社ビルの窓から街を見下ろすようになった僕は、いつの間にか外見だけでなく内面も、かつてあれほど憎んでいだはずの父と変わらぬ外道となり果ててしまっていた。
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