カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

八十三冊目・『白き札束の楽器』

2018-07-04 20:21:52 | サスペンスはお好きですか?
たかあきは『白き札束の楽器』事件を解説してください。

 昔は富豪だった祖父母が「一番の宝物」として孫の彼女に遺してくれたのは、ろくに調律もされていない古ぼけた白いピアノだった。金に困っていた彼女は、宝物ならきっと金銭的価値に繋がるヒントがあるに違いないとピアノをバラバラに解体してみたが、それらしきものは何も残されていなかった。彼女が見かけ通りに祖父母との思い出を大切にする人間だったら、かつてのように調律したビアノから流れ出す音色から、そのピアノがとんでもなく価値の高い稀覯品であると気付いただろうに。
コメント