カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

第八十三景・今はもう何処にもない星より

2019-04-18 21:52:20 | 桜百景
たかあきは、晩秋の異星と桜の葉に関わるお話を語ってください。

 故郷を遠く離れた星でも桜は同じように咲き、秋には紅葉しますと書かれた便りには紅く色付いた桜の葉っぱが同封されていた。開拓団の誰かが母星の誰かに宛てた手紙だと一目で分かったが、哀しいことに便りを届けるべき彼らの母星も差出人の暮らしていた開拓星すらも、今となっては何処にも存在しないのだ。
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