甲板から水面に放り込まれ、冷たい塩水が喉の奥から肺に絶え間なく流れ込む中、雷に撃たれたような感覚と共に、これが己自ら望んだ罰だったと今更ながら思い出した。
遙か昔、少しばかり人を殺しすぎてから死んだ俺は、閻魔に通常の裁きを地獄で受けるか、それとも生まれ変わって「つけ」を払うか選ぶように迫られ、当然だが「つけ」を払う意味と恐ろしさになど気付かぬまま後者を選び、故に転生ごとの人生で悲惨な死を繰り返すことになったのだ。そして今は自らに「つけ」があることなど忘れたまま、他人を踏みにじり好き放題な生を重ねた挙げ句に負債が積み重なり、あと何度苦痛と後悔に塗れた死を味合わなければならないのか、もう判らない。
頭から水底に沈んでいく俺の足下に見えるのは沢山の死者を乗せた渡し船の船底。だが、あの舟に俺が乗る権利は、まだ無い。
遙か昔、少しばかり人を殺しすぎてから死んだ俺は、閻魔に通常の裁きを地獄で受けるか、それとも生まれ変わって「つけ」を払うか選ぶように迫られ、当然だが「つけ」を払う意味と恐ろしさになど気付かぬまま後者を選び、故に転生ごとの人生で悲惨な死を繰り返すことになったのだ。そして今は自らに「つけ」があることなど忘れたまま、他人を踏みにじり好き放題な生を重ねた挙げ句に負債が積み重なり、あと何度苦痛と後悔に塗れた死を味合わなければならないのか、もう判らない。
頭から水底に沈んでいく俺の足下に見えるのは沢山の死者を乗せた渡し船の船底。だが、あの舟に俺が乗る権利は、まだ無い。