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激闘!三浦隆司が敵地で王座防衛

2013年08月18日 | ボクシング
WBC王者Sフェザー級王者・三浦が敵地で価値ある王座初防衛を果たした。

ボクシング【WBC世界スーパー・フェザー級タイトルマッチ】
日本時間18日(現地時間17日) メキシコ・カンクン

三浦隆司 判定12R エクトル・トンプソン(メキシコ)

今年4月、王者ガマリエル・ディアス(メキシコ)から4度ダウンを奪いWBC王座を奪取した三浦隆司(帝拳)の初防衛戦は、
敵地で地元選手と戦うという厳しいもの。

相手は、29戦27勝(25KO)2敗の強打者セルヒオ・トンプソン。
昨年3月に元世界2階級王者ホルヘ・リナレスもTKOで降した星を含む11連続KO中。

初回からガンガン来ると思われたトンプソンだったが、三浦が強打で迎え撃つと、やや警戒した様子。

それでも第2R、打撃戦ペースで前に出てきた挑戦者だったが、三浦は“ボンバーレフト”の左アッパーを突き上げ、トンプソンがグラつくと連打を集めて右フックでダウンを奪う。

序盤KOもあるかと思わすダメージだったが、効きながらもトンプソンはクリンチやジャブで建て直しを図る。
王者は、やや狙いすぎで手数で劣るラウンドも見受けられた。

第6R、ダメージが抜けてきたトンプソンが放った右ストレートで三浦がグラつき、会場のメキシカンは大歓喜!
挑戦者は、そこから一気に勢い良く連打してくるが、三浦は逆に左ストレートをカウンター。
再度効いた挑戦者を狙い撃ち、この試合2度目のダウンを追加!
激しい試合だ。
挑戦者は完全に効いているが、レフェリーのローレンス・コール氏(頭が薄くなったなぁ・・・)が、ダメージチェックしてる時間が長くて余分だ。

今度こそ三浦のKO勝ちかと思われたが、トンプソンはホールディングを含むあらゆる手段でストップ負けを拒否。
この辺は、しぶとい。
戦術展開も加え、世界王座奪取の為なら色んな手段を仕掛けてくるのは想定済みだったが、地元の声援を受けたトンプソンの粘りは凄い。

しかし
挑戦者が得意とする打撃戦の展開では、逆に三浦の左が当たり、
挑戦者がジャブを使えば王者は狙いすぎて手数が減る。
挑戦者からすれば本当の持ち味が出せない苦しい展開。

回復に向かったところで、またダメージングブローを浴び、必死にエスケープに努めざるを得ないという苦しい展開のトンプソン。
まるで王座転落時のガマリエル・ディアス(メキシコ)と同じだ。

ただし、パンチ力まで無くなっていたディアスに比べ、トンプソンは回復に努めれば(驚くべき事に)失われたかと思った強打が復活する。
第8Rには連打から掬い上げる様な右フックで三浦ダウン!!
バンザイする大観衆、声援が凄い!

再び勢いづいた挑戦者だったが、ここでも三浦は左ストレートで迎撃、逆にトンプソンのダメージを呼び戻してラウンド終了。
ジャブ突くときはガードを絞って正面をカバーするが、打ち合いペースになると正面が開くんだな、挑戦者は。
そこで三浦の左ストレートとアッパーがヒットしやすくなる。
解説の浜田氏も語っていたが、三浦は右も強いからトンプソンは警戒点も広げざるを得ない。

8Rを終えての公式採点は75-74、75-74、77-73とジャッジ2人が1点差をつける僅差。
意外と挑戦者の手数が評価されている。

第9Rは、また狙いすぎたか三浦の手数が減り、トンプソンの「エスケープのジャブ」に採点が行ったろうとポイント上の不安が増したが(しかし、不器用そうながら良くジャブを出し続けたねぇ・・・)

三浦は10Rと11Rも左ストレートをクリーンヒットしてトンプソンのダメージを呼び戻す。
この辺でストップしてもよいほど蓄積あったと思うが、レフェリーはストップせず、三浦も疲れて詰めきれず。
さらにトンプソンがラスト3回も異様に粘り。
最終ラウンドの打ち合いでも挑戦者は下がりながらも倒れる事を拒否して終了ゴングを聞いた。

判定は113-112、112-110、114-111の3-0。
これまた驚きの僅差で三浦の勝利。

それでも「獲るより難しいと言われる初防衛」、日本人王者にとって鬼門である「海外防衛」、しかも「1位挑戦者」相手に成し遂げたんだから大した物だ。
精神的にも動じた様子なかったし、動きも日本で戦った時と大差なく、堂々としたモノだった。

まずは祝福し、「お疲れ様」と申し上げたい。
課題も見えたが、それは当人が一番承知だろう。
まずは、ゆっくり休んで、以降のキャリアに生かしてほしい。