あるBOX(改)

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追悼:アンディ・フレイザー(3)

2015年03月22日 | 英国ロック
アレクシス・コーナーの後押しもあって知名度を上げたフリー。
※コーナーは自分のギグの前座に度々フリーを起用

68年には「Tons Of Sobs」でデビュー。
ポール・ロジャーズのソウルフルな歌声、エモーショナルなポールコゾフのギター、
常に渾身のドラム・アタックを聴かせるサイモン・カーク。
プロとして申し分ないリズムをキープするアンディのベース。

ブルースに傾倒しながら「同じ事をやっては本家の足元にも及ばない」と
彼らは必死にオリジナル・ミュージックを模索した。
曲によってはフォーキーでR&B的。そしてヘヴィなブルースロック。
瑞々しい歌と演奏は、いま聴いても感動的だ。



セカンドアルバムでは「リズムの揺らぎ、うねり」も体現。
場面によっては音数を減らし、緩急の妙も披露。
アンディーの急成長は明らかだった。
※反面、ソングライター・コンビがら指図されながらのレコーディングに
 コゾフは窮屈さを感じていたと言う。



そして1970年、
セルフ・プロデュースのアルバム「ファイアー・アンド・ウォーター」を発表。
シングル「オール・ライト・ナウ」が世界各国で大ヒットして一気にブレイク。
まさに、この世の春を満喫した。



一方「オールライト・・・」の楽観的歌詞や明るい曲調は一部の古参ファンから
「軽薄な曲を作りやがって」などと非難されたらしいが
「ただの3分ポップに、あんなシャウトやギターソロ、変態みたいなベースの
フレーズが盛り込めるかよ」と私なんて反論したくなっちゃいます。

※しかも、序盤のフレイザーは全然弾いていない。
 そこから徐々にベース音を足していき、ギターソロのバックでウネる低音から
 鐘を鳴らすかのようなフレーズは感動的でさえある。



コンサートは絶好調だったFREEなれど、
半年後に発表したアルバム「ハイウェイ」がさっぱり振るわず。

※ジャケットにバンド名が明記されていなかったから・・・なんていう
 話もありますが。「ハイウェイって新人バンド、なかなかイイね。
 フリーそっくり!」と音楽誌に書かれた・・・とか。
 幾分マネージメントの負け惜しみもあると思いますが。



シングル「ザ・スティーラー」も不発。
あんなにカッコイイのに!英国ロック七不思議ですよ!

コンサートでは会場超満員、バンドが登場してからも拍手と歓声が数分間収まらず、
ライヴが始まってもファンがステージに駆け上がったり、スピーカーに登った観客が
機材を倒してしまい演奏が中断・・・などあって、「人気沸騰」と書籍では伝えられて
いるのですが。



※他にFREE絡みの不思議では「オール・ライト・ナウ」がマンゴ・ジュリーの
 「イン・ザ・サマータイム」に抑えられて英国チャート1位を獲れなかった事!

 これはシングルの大ヒットを予想できなかったアイランドの増プレスが
 間に合わなかったという話もありますが・・・。