あるBOX(改)

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追悼:アンディ・フレイザー(7)

2015年03月26日 | 英国ロック
再結成FREEも限界が近付いた。

ロジャースとフレイザーが揉め、時にはコゾフとロジャースで
殴り合う、そんな日々にポール・コゾフも音を上げた。

結局、アンディ・フレイザーは逃げ出した。後にフレイザーは
「自分にはコゾフに付き合ってやれるだけの強さは無かった」と
告白している。

ただし、彼とてプロだった。
再解散前のアメリカツアーでは悲願の米国制覇を果たそうと、
懸命にプレイした事が非公式盤で聴き取れる。

「THE METALLIZED BLUES」では、コゾフの調子が良い事もあって
「FREE LIVE!」に引けをとらない演奏が繰り広げられている。



「オール・ライト・ナウ」では終盤サビのバックで自由自在に
ベースを弾きまくるアンディがいる。
それまで聴いたこともないフレーズが「これでもか」と披露されるのだ。

圧巻は、やはり「ミスター・ビッグ」。
終盤のベース・ソロは凄みを増しており、壮絶の一言。

アンディの代名詞とも言える同曲は、他の70年代ロックの
長尺ソロと違い、あくまでアンサンブル内でのベースソロゆえ、
いま聴いても古さを感じさせない。



70年のTVプログラムで放送されたMr.Bigは、
コゾフのギターソロ(これもチョーキング連発で凄い!)が
やがてアルペジオに代わり、ドラムの連打からベースソロへ
展開する流れを理解できず、暫くコゾフやロジャース
(これもマイクアクションがカッコイイ!)を映してるんですよねぇ。

「違うよ!フレイザーの見せ場なんだよ!フレイザーを映せよ!」
「つ~か、フレイザーの手元をUPにしろ!!」と何度叫んだ事か・・・。



なお、少し前にFREEの初期ライヴ音源を聞く機会があったのだが、
「Mr.BIG」以前にアンディの見せ場となっていたのは、意外にも
インストゥルメンタル曲の「SUGER FOR Mr.MORRISON」だった。

動画サイトでも触れることが出来る同曲は、独白の如きベース音から
始まり、やがてジャズのインプロビゼーションのような展開を見せる。

スタジオ・ヴァージョンでは淡々と進む同曲だが、ライヴ演奏では
ギターとベースが絡む、スリリングな展開に耳を奪われる。

コゾフとフレイザーでのコール&レスポンス、そんな印象さえ受けた。
FREEというのは、そんな側面も感じさせる奥の深いバンドだったんだなぁ
・・・なんて

今更ながらのように感じるのです。