まるみのあっちこっち巡り

ー32,000枚を超える写真とともに綴るお出かけブログー

映画 ヒマラヤ 運命の山

2011-08-20 00:59:40 | 映画(劇場鑑賞)
地上8000メートルの真実。
世界の登山家たちが恐れるヒマラヤ山脈ナンガ・パルバート壁、
(スイスのアイガー北壁の3倍の高さ)
1970年人類初の登攀、その運命の山で起こった出来事とは…。

この映画は、世界屈指の登山家メスナーの物語です。
地球上で最も高く険しいルパート壁のルート、
ナンガ・パルバートへの無酸素登頂を果たしますが、
この難所の下降にほぼ成功しかけた時に悲劇が襲うのです。

兄ラインホルトと弟ギュンターは、
イタリアのドイツ語圏、南チロルの出身で、
9人兄弟のメスナー家の中でも
2人は一緒に岩壁や氷壁を登る仲です。

子どもの頃から兄を追いかけるように弟は、
教会の壁を登り、鐘楼の塔へ駆け登りました。
壁があるから壁を登っているのです。

ラインホルト氏の手記によると、
「教師の父は岩登りが趣味で、父に連れられて
5歳で3000メートル級の山に登った」とありますから、
まさに山登りをするために生まれたような人です。

彼は、1978年エベレスト人類初の無酸素登頂成功!
1986年人類史上初8000メートル峰全14座完全登頂(無酸素)成功!
その名を世界に轟かせる登山家の一人です。

運命の山に初登攀という成果は上げたものの
彼は足の指7本を凍傷で失います。
失ったのはそれだけではありませんでした。

彼は、それによりプロの登山家になる
決心をすることになるのです。

この映画の魅力は、当時を再現するために
無数の努力による素晴らしい映像と、
山々の美しい姿を彩るような音楽です。

ヒマラヤのリアルな登山シーンには息を飲みます。
スクリーンで迫力ある映像を楽しんでください。

ラインホルト氏によれば、標高8000メートル級の山になると
頂上に立っても何も感じないそうです。
景色を楽しむこともないそうです。

「酸素の欠乏、寒さ…。とにかく命があるうちに
早く山を下りたいとしか考えられない」
下山してやっと感情がわきあがってくるそうです。
経験された方にしかわからない言葉です。

監督:ヨゼフ・フィルスマイヤー 2009/ドイツ/104min
出演:フロリアン・ステッター アンドレイス・トピアス

シネ・リーブル池袋

2011.8.18
コメント