まるみのあっちこっち巡り

ー32,000枚を超える写真とともに綴るお出かけブログー

映画 悲情城市

2012-03-01 18:28:41 | 2012ノスタルジック台湾
1945年の日本敗戦から1949年の国民党政府の樹立までの
4年間の林家の4人の息子たちの生き様を描いています。

長男は台北の顔といった存在、次男は戦死、
三男は革新的であったものの心を病みやがて発狂、
トニー・レオンが演じるのは耳の聞こえない四男、写真館を営業。
台湾語が話せない彼のために設定された役のようですが、
繊細で力強い演技は、心に響きます。

余談ですが、トニー・レオンの出演する映画はかなり観ています。
「東京攻略」という映画では日本語が堪能な香港人を演じていましたが、
うっそ~!やめて~!というような日本語でした。
これは娯楽映画ですが、「悲情城市」は違います。
監督の判断は正しかったと思います。

約2万8千人が犠牲になったという「二・二八事件」
動乱そのものを描いているわけではありません。

人々の日常の生活、その暮らしぶりがよくわかる食卓シーンも多く、
日本へ引き上げる日本人や日本語も飛び交います。
小津監督の作品を観ているかのようです。

開放の喜びもつかの間、中国本土から来た中国国民党の
圧政に苦しめられるようになるのです。

台湾現代史の悲劇を描いているので観るのも辛くなりますが、
映画としては素晴らしい作品です。
淡々と描いているものの哀しく切なく…

トニー・レオン演じる四男も連行され、
戻ってはきませんでした。

監督:ホウ・シャオシャン
出演:トニー・レオン、シン・シューフェン
1989年・台湾
コメント

映画の舞台へ

2012-03-01 00:25:07 | 2012ノスタルジック台湾

ベネチア国際映画祭でグランプリを受賞した
候孝賢監督作「悲情城市」のロケ地として、
一躍注目を集めた九份。

宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」の街の
モデルにもなりました。
ガイドブックやパンフレットに必ず書いてあります。

しかし、1989年公開の「悲情城市」の映画を観て
この街を訪れる人は多くはないかもしれません。

まるみが観たのは2006年ですが、
大手のビデオレンタル店では取り扱っていませんでした。

この映画は香港の俳優トニー・レオンを有名にしただけでなく、
約40年タブーとされていた「二・二八事件」を
世界的に知らせることになったのです。

この事件を直接的に描いた最初の映画でした。





その映画のシーンが思い出され、
この風景が切なくなります。
台北よりさらに寒く、冷たい雨が降っていました。





風情あるノスタルジックな街並みが人気で、
観光バスも次々とやってきます。

ガリガリッと道路をこすりながら…





路線バスももちろん走っています。
総統選挙前なので馬英九氏のラッピングバスです。

ルックスが良い馬英九氏なので見栄えもしますが、
日本ではやって欲しくないと思いました。





九份の観光はここ基山街からスタート。

にぎやかなアーケード街にはみやげ物屋などがズラリ、
食べ歩きやショッピングが楽しめます。





金の採掘により、大きく発展した街、
ゴールドラッシュに沸いた頃、
鉱夫たちが両替にやってきた場所でした。





こんな路地も気になったりします。

しかし、寒い
持っているもの全部身に着けている状態なのに…

山間部の天気予報は雪
寒いはずです。

ちょっと茶芸館に寄って暖かい飲み物でも飲みましょう。

台湾・九份

2012.1.4


※九份のフンの字が正しく表示できていないかもしれません。
 正しくは人偏に分の字です。
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