19歳で監督デビュー、20代で世界的な名声を得た
カナダのグザヴィエ・ドラン監督の新作で、
第69回カンヌ国際映画祭グランプリ受賞作品。
愛しているのに傷つけ合ってしまう
ある家族の一日を描いています。
原作者は、フランスの人気劇作家
ジャン=リュック・ラガルス。
エイズにより38歳でこの世を去っています。
この作品の主人公ルイも有名な劇作家で同性愛者。
同じ病のようですが、はっきりとは明かしていません。
12年ぶりに帰郷する理由も余命が近いことを
家族に告げるためだったのですが・・・。
登場人物は、ほぼ家族のみの5人ですが、
家族の会話からこの家族の人間関係の危うさが見え隠れし、
サスペンスにも十分な一発触発の会話劇が描かれ、
ランチの後の眠気も飛ぶようなスリリングな展開に。
何といっても見どころは、フランスを代表する役者の演技。
ショットも流れてくる音楽も良いのです。
自分を無条件に愛してくれる家族ですが、
だからこそ傷付けてしまうのも家族だったりと諸刃の剣。
ルイが余命いくばくもないことを察した家族の心理劇。
これが最後だなんて、僕たちは哀しいくらい不器用だった。
チラシの言葉も沁みてくるようです。
監督・脚本:グザヴィエ・ドラン
出演:ギャスパー・ウリエル/レア・セドゥ/ナタリー・バイ
ヴァンサン・カッセル/マリオン・コティヤール
カナダ・フランス合作映画/99分
ヒューマントラストシネマ有楽町
2017.2.24