全米わずか4館での公開から口コミで評判が広がり600館に拡大、
カンヌを始め、世界中の映画祭で数々の賞を受賞した作品で、
主演のヴィゴ・モーテンセンは、この作品で
アカデミー賞主演男優賞にノミネート。
「ロード・オブ・ザ・リング」のヴィゴ・モーテンセン、
スマートで完璧な役柄が多かった俳優さんですが、
この作品でも前半は厳格な父親を演じて、
彼にピッタリの作品だと思いました。
資本主義とアメリカ人の生き方に幻滅し、
アメリカ北西部の森の奥深くに
暮らしている両親と6人のこども。
学校には行かずに日夜、肉体と精神を鍛える課題に取り組み、
サバイバルな技術を身につけるだけではなく、
6か国を操り、政治や哲学を深く考察できる見地を持つという
理想的なようなそうでもないような成長ぶりです。
人生に必要なことは父親と森が教えてくれる!!
でも、何だかやっぱり、ついていけそうにないわ。
奥様もそう思ったのかどうかは定かではありませんが、
精神を病んで入院、自殺してしまいます。
葬儀へ出席するため2400㎞の旅に出るロードムービー。
社会との接点をほとんど持たずに
生きてきた家族の大冒険

「ダディまで失いたくない」に
涙がポロリと落ちてしまいました。
予告では楽しそうな映画かと思いましたが、
切なくもあり、考えさせられる
奥の深い映画だったのです。
監督・脚本:マット・ロス
出演:ヴィゴ・モーテンセン/ フランク・ランジェラ
キャスリン・ハーン/ジョージ・マッケイ
2016年/アメリカ/119分
ヒューマントラストシネマ渋谷
2017.4.13