世界でもここだけという水上都市ベニス。
その歴史は、6世紀頃にさかのぼるとされます。
当時のヴェネト地方が侵入者に襲われ、
住人はラグーナ(潟)の中の
小さな島々へ移り住み、杭を打って補強し、
その上にベニスの街ができたのです。
ヴェネツィア共和国は15世紀に
その繁栄の絶頂期を迎え、
「ベニスの商人」は、
世界中の富を集めました。
北西ヨーロッパ諸国が地中海貿易に進出すると
徐々に衰退、18世紀には1年の半分を
カーニバルで過ごす「歓楽の都」と化し、
ナポレオンの侵攻により、1797年に、
ヴェネツィア共和国は消滅してしまいます。
常に治水対策が優先課題のベニス。
絶えず治水に膨大な費用と労力をかけながら
地盤沈下や高潮に悩みつつも
世にも稀な水上都市は維持されてきました。
年々観光客が増加し、観光収入は増えるものの
地盤沈下に拍車をかける結果になっているベニス。
大規模工事なども進められているようですが、
この美しい風景を永遠にと願わずにはいられません。
イタリア・ベニス
2017.7.1