江戸時代を代表する大名庭園の小石川後楽園は、
1629年に水戸徳川家初代藩主・頼房が、
江戸の中屋敷の後庭として造営し、
二代藩主・光圀の代に完成した庭園です。
池を中心にした回遊式築山泉水庭園。
光圀は、造成にあたり明の遣臣朱舜水の意見を用いて、
円月橋、西湖堤など中国の風物を取り入れ、園名も
朱舜水の命名によるなど中国趣味豊かな庭園。
水面に映る形が満月のように
見えることからつけられた円月橋。
渡月橋、通天橋、竹生島など日本の名所を模した
景観もあり、7万847㎡の園内の各所に配され、
山の風景、稲田、菖蒲田、松原周辺の田園の風景と
大きく四つの境域に分けられています。
文化財保護法により国の特別史跡・特別名勝に指定。
この重複指定を受けているのは、全国でも
浜離宮恩賜庭園、金閣寺など、ごく限られます。
2月上旬には紅梅、白梅など30種類ほどの
梅が咲きますが、黄色いロウバイの
良い香りが漂っていました。
光圀は号を「梅里」と称するほど梅を好んだとか、
「光圀」の名の梅もありましたよ。
春のサクラや秋の紅葉だけではなく、
冬にはロウバイ、福寿草、ウメ、水仙など、
夏は、桔梗、ヤマユリ、百日紅など四季を通じ、
花も楽しむことができます。
後楽園の名は、中国の范仲淹「岳陽楼記」の
「天下の憂いに先だって憂い、
天下の楽しみに後れて楽しむ」から
名づけられたのだそうです。
入園料:一般 300円
東京都文京区後楽1-6-6
2019.1.26