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'07/07/08の朝刊記事から
仏前首相 訴追不可避か
謀略疑惑で連日捜索
【パリ7日共同】フランスのドビルパン前首相が、政敵だった大統領就任前のサルコジ氏を陥れようとしたとの謀略疑惑で、前首相の訴追は不可避との観測が強まっている。
捜査担当の予審判事は連日、ドビルパン氏の自宅や外相時代に使用した事務所を捜索。
ドビルパン氏は休暇先から急遽パリへ戻り、月内にも予想される事情聴取をにらんで捜査当局との全面対決に備えている。
疑惑は、台湾へのフリゲート艦輸出に絡んでサルコジ氏が裏金を受け取っていたとの虚偽情報を、謀略に利用しようとしたとの内容。
ドビルパン氏は、外相、次いで内相を務めた2004年、情報当局のロンド将軍に極秘調査を命令、情報を予審判事に流すよう手配した「虚偽告発」の共犯の疑いがもたれている。
捜査が急展開した背景には、「メモ魔」のロンド将軍がコンピューターに残した当時の会話記録の存在がある。
記録は一度消去されたが、捜査当局が復元。
ドビルパン氏の関与を示す証拠が浮かび上がったもようだ。
ルモンド紙によると、当時ロンド将軍に情報を提供したとされる関係者2人の事情聴取が18、19両日に行われる見通し。
2人が会話記録を裏付ける証言を行えば、ドビルパン氏訴追の可能性はさらに強まる。
ドビルパン氏はイラク戦争直前、外相として武力行使に突き進む米国に真っ向から反対する演説を国連で行い、一躍「フランスの顔」となった。
謀略を疑われるのは、ドビルパン氏に最も勢いがあり、シラク前大統領の後継者の座をサルコジ氏と争う構図が鮮明になった時期と重なる。