Kodak DC4800
'07/07/13の朝刊記事から
エレベーター フジテック製560基強度不足
鋼材、取引先が偽装か
国土交通省は12日、フジテック(滋賀県彦根市)が2002年9月から今年6月までに製造したエレベーター560基で、人が乗るかご枠などに強度不足の鋼材が使用され、建築基準法の基準を満たしていないと発表した。
強度不足は最大で基準の3分の1に達するが、事故に直結するものではないという。
フジテックから同日、報告を受けた国交省は厳重注意するとともに、補強工事の実施を指示。
ほかのエレベーター製造会社にも同様の事例がないか、調査を求めた。
国交省によると、フジテックは基準を満たす鋼材を発注していたが、取引先のJFEグループの「JFE商事建材販売」(大阪市)は強度が低く安価な別の鋼材を納入。
強度の高い製品の証明書を添付し、発覚を防いでいた疑いがあるという。
一方、JFE商事建材販売は同日会見し、「(指定と違う鋼材の納品は)フジテックとの合意に基づくものだ」と主張した。
これに対しフジテックは「了解した事実は一切ない」と反論。
同建材販売に対し、刑事告訴を視野に今後の対応策を検討していることを明らかにした。
フジテックは本来の鋼材より強度が低く安価なものをエレベーター12727基、エスカレーター634基に使用していた。
同社が再計算したところエスカレーターは基準を満たしていたが、36都道府県に設置されたエレベーター560基に強度不足が判明。
病院、商業ビルなどに設置されているという。
フジテックは今年1月と5月、納入品に発注とは違う強度の低い鋼材の証明書が添付されていたため、JFE商事建材販売に確認を求め、問題が発覚した、としている。