’08/04/23の朝刊記事から
ヤミ金収益 スイスとの折半合意
29億円返還 被害者に分配へ
指定暴力団山口組系旧五菱会のヤミ金融事件で日本、スイス両政府は22日、チューリヒ州政府が没収した約5,840万スイスフラン(現在のレートで約60億円)の犯罪収益をほぼ折半し、日本政府が約2,900万スイスフラン(同約29億円)を受け取ることで正式合意した。
近く送金される見通しで、海外で没収された犯罪収益が日本に返還される初のケースとなる。
国際法上、スイス側に返還義務はなく、両政府が交渉を続けていた。
今後、被害回復給付金支給法に基づき東京地検が被害者への分配手続きに入る。
同法の初適用となる可能性が高く、被害者は計数万人とされる。
約29億円は、東京地検が「給付資金」として保管する。
官報に手続き開始を掲載するほか、捜査記録などによって把握できた被害者には個別に通知する。
被害者から申請を受け付け、対象者かどうかや被害額についての審査を経て支給する。
被害総額が給付資金を上回った場合は、被害額に応じて案分した額を支払う。
分配手続きでは、通知や審査など一部を「被害回復事務管理人」に選任した弁護士に委任することができ、今回実施される見込み。