Kodak DC4800 ベトナム
‘07/02/25の朝刊記事から
日航の委託整備 ミス頻発
補助翼の部品 付け忘れ
燃料タンク内に書類
中国の工場 発覚まで飛行
日本航空が中国にある認定整備工場に整備を委託した際、機体の向きを変える補助翼の関連部品を取り付けなかったり、燃料タンク内にマニュアルを置き忘れたりするミスが起きていたことが24日、分かった。
日航は今月上旬に4300人の人員削減を柱とする経営再建策を打ち出したが、同社の安全対策が再び問われそうだ。
日航などによると、中国・アモイの整備会社「TAECO」で1月17日、ボーイング767を整備した際、補助翼(エルロン)をスムーズに作動させる金属製部品を装着し忘れた。
エルロンは主翼の縁にある可動翼で、旋回に使われるが、日航が2月1日に整備ミスを発見するまで、同機はこの部品を欠いたまま関西国際-韓国・仁川便として飛行していたという。
2005年12月から昨年5月にかけ、TAECOにボーイング747の検査を委託した際には、整備士が燃料タンク内にA4判の紙片12枚を置き忘れるミスも起きていた。
同機はホチキスで閉じたマニュアルのコピーを混入させたまま、燃料を注入。
ミスが発覚するまで227回の離着陸を繰り返しており、国土交通省が日航に口頭注意した。
日航は2件のミスについて,「安全性に問題はなかったが、TAECOには対策を講じるよう指示した」としている。
05年には、シンガポールの整備会社「SASCO」が日航のジャンボ機で左右エンジンを取り違えて設置するミスも起きている。
認定整備工場
航空機の整備や改造をする際、施設や人員などを満たしているとして、国が認定した工場。
認定基準は省令で定め、国内外44社が認定を受けている。
3月30日以降は60人乗り、最大離陸重量27トンを超える航空機の整備は認定工場に限定され、大手航空会社が運航するジェット機が対象となる。
日航と全日空は「TAECO」(中国・アモイ)、「SASCO」(シンガポール)、スカイマークは「EGAT」(台湾)に大規模な整備を委託している。