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'07/10/13の朝刊記事から
国際的建築家、都知事選出馬
黒川紀章さん死去 73歳
日本の代表的な建築家として国際的に活躍した黒川紀章(くろかわ・きしょう)さんが12日午前8時42分、心不全のため東京都新宿区の東京女子医大病院で死去した。73歳。名古屋市出身。
葬儀は近親者のみで行う。喪主は未定。妻は女優の若尾文子さん。
4月の東京都知事選に立候補したが落選。
自ら「共生新党」を設立して挑んだ7月の参院選でも、再び落選した。
選挙期間中から体調を崩していたという。
京大建築学科を卒業後、東大大学院で丹下健三氏に師事。
20代で頭角を現し、大学院在籍中の1960年、有機的に代謝・成長する新たな都市像を提唱する思想集団「メタボリズム・グループ」を菊竹清訓氏らと結成した。
その思想に基づく中銀カプセルタワービル(東京)は広く知られる。
作品は国立新美術館(東京)、国立民族学博物館、国立文楽劇場(ともに大阪)など国内各地のほか、海外もゴッホ美術館新館(アムステルダム)など20カ国以上に。
時代を象徴する都市論、文化論に関心を寄せ、著作は「共生の思想」「都市デザイン」など多数。
「生命の時代」「共生」などの言葉で、近未来像を先駆的に論じた。
80年代以降は、若尾さんとの再婚で話題を呼んだほか「日本文化デザイン会議」を牽引するなど、広範に活躍。
近年は政治に意欲を示した。
フランス建築アカデミーゴールドメダルをはじめ、内外で受賞多数。
98年日本芸術院会員、2006年文化功労者。建築家の黒川雅之・金沢美術工芸大教授は実弟。