’07/11/14の朝刊記事から
ブット氏 大統領の辞任要求
パキスタン 政権協議破綻か
【ラホール(パキスタン東部)13日共同】パキスタン東部ラホールで2度目の軟禁下に置かれた野党指導者のブット元首相は13日、ロイター通信などの電話インタビューに対し、ムシャラフ大統領の大統領辞任を要求、「ムシャラフ氏が大統領である限り、首相になるつもりはない」と言明した。
ブット氏は3日の非常事態宣言後、ムシャラフ氏に対し、兼任する事実上の軍トップ、陸軍参謀長職の辞任や停止された憲法の復活を要求してきたが、大統領辞任に言及したのは初めて。
米国の後押しを受け、今後の連携でいったんは大筋合意した両者の政権協議は破綻した形となった。
ブット氏は、来年1月中に予定される総選挙が非常事態宣言下で行われるなら、正当性を失わせるためボイコットする可能性も示唆。
9月の帰国直後に再び国外へ追放された野党指導者シャリフ元首相との連携にも意欲を見せている。
ブット氏率いるパキスタン人民党(PPP)によると、13日にラホールではPPP支持者ら2000人が拘束された。
ブット氏は「女性や子供にまで警察が暴力を振るった。家を壊したりもしている」と当局を激しく非難した。
ブット氏は13日、非常事態の解除を求め、ラホールから首都イスラマバードまでの約300キロを約3日かけデモ行進する予定だった。
だが、治安当局は7日間の拘束を通告、参加を阻止した。
PPPによると、ブット氏に代わり、ラホールを州都とするパンジャブ州の党代表が先導し、支持者数千人がデモ行進を始めた。
また、AP通信によると、ブット氏の地盤の南部カラチで、軟禁に抗議した支持者らが警察署に発砲。
負傷者はいなかったが、当局との対立が激化する恐(虞)もある。