’08/02/18の朝刊記事から
新千歳 無許可滑走
操縦士、指示復唱怠る
【千歳】16日、大雪の新千歳空港で羽田行き日本航空502便(ボーイング747、乗客・乗員446人)が管制官の許可なく滑走を始め、滑走路上の別の日航機と重大な追突事故の虞があった問題は、関係機関などのその後の調べで17日、操縦士が管制官の指示の復唱を怠るなど交信のミスがあり、トラブルに結びついた可能性が強まった。同空港では3年前の2005年1月にも、日航機が同様のトラブルを起こしている。なぜ、再発は防げなかったのか。現地入りしていた国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は17日、前日の機長らへの聞き取りに続き、管制官から事情を聴取するなど現地調査を終了、交信記録などとともに分析した事故原因の究明を急ぐ。
管制も誤解招く表現か
無許可滑走した日本航空502便の機長(58)が同社の事情聴取に対し、管制官が「速やかに離陸できるよう準備せよ」と伝えてきたのを、「すぐに離陸せよという指示だと聞き違えた」と述べていることが17日分かった。機長は、管制官の指示を復唱していなかったことも認めているという。
航空関係者は「管制からの指示は復唱するのが原則。指示を聞き取れなかった場合は、聞き返さなければならない」と指摘しており、管制官と乗務員、乗務員同士の具体的なやりとりが今後の調べの焦点になるもようだ。
一方、管制官は通常は離陸許可の交信時以外にはあまり使わない「テークオフ(離陸)」という用語を使って指示しており、502便が離陸許可が出たと誤解するきっかけになったとの見方も浮上している。