’08/05/21の朝刊記事から
馬・台湾新総統 中台新時代へ意欲
「歴史的チャンス」強調
【台北20日共同】台湾の馬英九新総統(57)は20日行った「台湾再生」と題する就任演説で、今回の与野党政権交代で中台に「歴史的チャンス」が訪れたと指摘、中国の胡錦濤政権に向け「共通利益」を求め、平和的繁栄の道を切り開こうと訴えた。
26日からは国民党の呉伯雄主席が与党トップとして訪中、胡国家主席に直接、馬氏の考えを伝え、今後の課題など意見を交わす。
馬氏が中国との対話に力を入れることを自ら示したことから、陳水扁政権の8年間で冷え込んだ中台関係の改善ムードがしばらく高まりそうだ。
馬氏は演説の中で、胡氏が台湾総統選後に行ったブッシュ米大統領や蕭万長副総統、国民党の連戦名誉主席との各会談などで述べた、中台問題の考え方について「われわれの理想と一致している」と評価。
持論である「三つのノー(独立せず、統一せず、武力を行使せず)」にもあらためて言及し、中台の現状を維持すると指摘。
7月から実施を目指す週末直行チャーター便の定期化や、中国観光客の受け入れ解禁により「中台の新たな時代」をもたらしたいと、理解を求めた。
また「中台は同じ中華民族に属する」と指摘した上で、中国側に自由と民主主義を求め、貧富の格差解消などに努めるよう注文を付けた。
馬氏のブレーンの一人は「双方に必要なのは信頼醸成だ。馬氏の目指す和平協定締結には時間がかかる。しばらくは経済を中心に関係を深めたい」と、演説に込められたメッセージを説明した。
馬英九新総統の演説骨子
・米国との安全保障面での関係を強化
・「三つのノー(独立せず、統一せず、武力を行使せず)」の理念で、中台の現状を維持
・「一つの中国」をめぐる「92年合意」を基礎に中国に早期の対話再開を要求
・中台人民はともに中華民族に属しており、平和共存が可能
・四川大地震の被災者に哀悼
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