’08/02/06の朝刊記事から
別の殺虫剤 生協連、昨年11月苦情受理
「流通で汚れ」と軽視
日本生活協同組合連合会が5日、新たに冷凍ギョーザから殺虫剤「ジクロルボス」を検出したことを明らかにした。昨年11月に「オイルのようなにおい」と苦情を受け、袋からはベンゼンなどの化学物質も検出されていたが、生協は「流通過程で汚れがついた」単発的トラブルと軽視。その後の中毒事件を防ぐことはできなかった。
日本生協連の説明では、福島県のコープあいづの店舗にあった「CO・OP手作り餃子」の異臭が報告されたのは11月10日。10日後には袋からベンゼンを検出した。中毒を起こした千葉県の2家族が同じ種類の冷凍ギョーザを買ったのはいずれもその約1カ月後の12月下旬だ。
生協側が全商品に網を掛けて調べるなどしていれば「メタミドホス」を発見、商品の撤去に結び付いた可能性もある。
生協連によると、これより前の昨年10月5日と31日には宮城県の組合員からギョーザに「アルコール系のにおいがする」との訴えもあった。
輸入元のジェイティフーズは、中国の天洋食品を訪れ調査。異臭がしたギョーザと同じ日に製造された保管サンプルを調べたが問題はなく、包装材メーカーも含めベンゼンなどは使っていなかったことを確認したという。
ギョーザが詰めてあった段ボールに「油染みがあった」との情報もあり、生協連やジェイティフーズは、輸送途中などで汚れがたまたま付着し、袋から浸透したものと判断したという。
実際に輸送中に付着した汚れだった可能性もあるが、主婦連合会の和田正江参与は「消費者の苦情や異常の訴えをきちんと吸い上げ、一元化された情報に早急に対応する体制がないから後手に回ってしまった」と指摘している。