その昔「おせんべい、大好きなんですよ」とおっしゃった福岡の方がいらして、とても奇異に感じたことがある。
その頃、私もおせんべいは好きだったが、取り立てて言うほどの存在ではなかった。そんなものは買いに行けばいつでも手に入るし、わざわざ「大好き」という気持ちが、よくわからなかったのであった。
それから大分経って、福岡に住み、さらに時間が経過して、ようやく気づいたことがある。
福岡のおせんべいは種類が少ない、ということが。
この3社製品の寡占状態。
特に「カメダのあられ、おせんべい」が半分を占める勢い。
東京でよく目にした草加せんべいは一つもない。
なるほど、福岡に住むと、数少ないせんべいを「おいしいおいしい」と言って食べるようになるのかもしれない。
何十年も経って、前述の「せんべい大好き」な人の気持ちがわかってきたように思う。
福岡には直方の「もち吉」というメーカーがあるが、こちらは上品で高級菓子。私はもっと醤油の味がしっかり味わえるのが好みなのである。
もう15年も前だが、新潟の直江津のスーパーマーケットに入ってびっくりした。
せんべいの種類の豊富なこと!
さすがは米どころ、と感心した記憶がある。
しかし、九州も米どころだぞ。なぜせんべいは流行らないのか。
九州は甘い菓子の方に走ったから、なのだろう。
それはそれで良いけど、もう少しせんべいの種類が増えないかなぁ。
新潟の関係の皆様、がこの文章を読んでいる可能性は限りなく低いが、九州はビジネスチャンスですよ!
せんべいを輸出してくださいませ!