井財野は今

昔、ベルギーにウジェーヌ・イザイというヴァイオリニスト作曲家がいました。(英語読みでユージン・イザイ)それが語源です。

サンサーンスはパガニーニより難しいかも

2017-04-23 09:10:35 | ヴァイオリン
サンサーンスの協奏曲第3番は、サンサーンス作曲の全協奏曲の中で最高傑作だと思う。ピアノ協奏曲とは完全に一線を画している。ついでに言うと、ヴァイオリン協奏曲の1、2番も全く比較にならない。

その上で、なのだが、どうしてこの「サンサンサン」は弾きにくいのだろうか。

この弾きにくさ故に人前で弾くのを長年躊躇していたのだが、そろそろ弾いてみようかと一念発起して練習してみた。

今弾くとわかる。なるほど、ここが難しいのか、と。

あまりにも難しいので、今度はパガニーニの協奏曲1番の1楽章を弾いてみた。これはレッスンに必要だからである。

何年ぶりか覚えていないが、こちらは一発で最後まで通った。乱暴な言い方をすると、パガニーニは弾きやすい。なぜだろう。

パガニーニには3度の連続やジュテなど、かなり練習が必要なパッセージは多い。しかし、一度できるようになれば、それ以上のものではないようなものが多い。

一方、サンサーンス、何が難しいか…

で、発見したのは…

「アルペジオのかけ下がり」である。

通常使う言葉は「かけ上がり」で「かけ下がり」はほとんど造語になるが、パガニーニと比較するとはっきりする。
パガニーニだとアルペジオの上向形は何回も登場するのだが、ハイポジションから下降する形は例外なくゆっくり下りる。
さすがパガニーニ、ヴァイオリンの技巧をわかってらっしゃる。

一方サンサーンス、かけ上がりもあれば「かけ下がり」もある。確かにピアノならば、どちらかが難しいということはない。実にピアノ的発想で、ヴァイオリンのことは全くわかってらっしゃらない。

この難しさを含む曲を中高生にやらせて良いものなのか、少し疑問が残る。

一方私も、この難物、どこまで時間をかけたら克服できるかな。