来る3月27日、九州・沖縄作曲家協会主催の「春の音楽展 2011 in 北九州」で、井財野友人の新作を発表します。
こどものためのピアノ曲が今回の課題で井財野の曲も5人の子供たちが演奏してくれます。御都合よろしければ、ぜひお越しください。会場は北九州市のムーブホールです。
本番には司会者がつき、こども達へ宛てた手紙が読まれることになっています。以下、その手紙の原稿です。
九州新幹線が全通したね。最初から走っていた「つばめ」に加えて「さくら」と「みずほ」も仲間入りしました。「さくら」と「みずほ」、これは、長崎や熊本と東京を結んでいた寝台特急の名前を受け継いでいます。青色の客車だったから「ブルートレイン」って呼ばれてね、目が覚めてから、東京に近付くにつれてワクワクしたものです。
そんなことを考えながら作ったのが、この「九州鉄道 いまむかし」。今の方がずっと速く走るけれど、昔は昔でそれなりの夢があった、それを若い皆さんに語りたかったんだ。
1曲目は「蒸気機関車C57」。全国的にはD51いわゆるデゴイチが有名だけれど、九州の中はこのシゴナナ、別名「貴婦人」と呼ばれるSLが一番みかけたような気がする。そこらじゅうで走っていたから、無くなると言われてもピンと来なかったよ。
2曲目は「ディーゼル特急おおよど」。今、新燃岳の噴火で運行見合わせたりする吉都線や肥薩線を経由する特急だけれど、途中のループ線やスイッチバックがあるから、特急と言ってもそんなに速くは走れないけどね。
3曲目は雰囲気変えて路面電車の「西鉄北九州線」。ここ北九州にはそれはそれは長い路線があったんだよ。約30キロ。この曲は2分だから時速900キロでかけぬけまーす。
4曲目は「寝台急行日南」。中学生の時、宮崎に住んでいて、福岡までヴァイオリンを習いに通っていて、時々乗ったんだけど、大分で1時間も停車するんだ。このダイヤはその後「ドリームにちりん」に引き継がれたけど、それも新幹線全通でなくなっちゃったねぇ。
5曲目は最初に紹介した新幹線の曲だ。でもこのような昭和の匂いを追いかけていくと、どうしても「さくら」と「みずほ」よりは「さくらと一郎」って言いたくなるんだよ、おじさん達はね。だから序奏には「昭和枯れすすき」の引用があります。
もう話し出すと止まらなくなってしまうから、手紙はこのあたりでおしまいにします。あとは曲を聴いて想像の世界で楽しんで下さい。