井財野は今

昔、ベルギーにウジェーヌ・イザイというヴァイオリニスト作曲家がいました。(英語読みでユージン・イザイ)それが語源です。

追悼・安野光雅氏

2021-03-19 18:49:16 | 井財野作品
昨年の12月にお亡くなりになったと、今頃知った。

どんな絵でもさっさと描ける画伯だったらしい。
さらにウィットに富んだ詩作もできる。

その中の「大志の歌」に井財野は釘付けになった。架空の学校に校歌があったらどうなるか、という内容がまる一冊展開されている。

これは付曲するしかない、と出版社を通して連絡した経緯は、以前にも書いたかもしれない。

嬉しいことに返事が来た。やり取りは全て郵便、安野画伯の絵葉書でお返事がくる。

そして返事の内容だが、残念ながら(?)先約があるとのこと。しかも先約者は、昔ニュースセンター9時のレギュラー出演者だった森ミドリさん。

こりゃかなわないと一旦思ったけど、安野画伯曰く「井財野の情熱」に負けて、こちらが申請した曲に限って許可しましょう、という話になった。

とりあえず何とか許可をもらい、福岡のアマチュア合唱団「混声合唱団トニカ」の委嘱作品として演奏される運びとなった。

が、プログラムが決まってくると、この曲の後に、本格的なジャズっぽい曲が演奏されることになってしまった。

当初予定の終曲もジャズっぽい「サバダッテバ」だったので、ここはあっさりそれを引っ込め、新たに「おやゆび姫」を書き下ろした。

よって「サバダッテバ」は演奏されていない幻の曲になってしまった。(だからと言って、他の曲も一回演奏されたきりだが。)

それはともかく、安野光雅氏の画家としての才能と同じくらいに素晴らしい氏の「言葉を操る能力」、その一端に触れ、多少なりとも関われたのは、私の大きな財産である。

改めて、その機会を下さった安野氏、混声合唱団トニカに感謝し、また氏のご冥福を祈る次第である。

文化力は武力に匹敵するはずだ

2021-03-11 20:42:38 | 国際・政治
最近フローラン・シュミットやセブラックの作品を聴く機会があった。
どちらも百年くらい前のフランス人作曲家である。

面白いのあり、つまらないのあり、と全体には興味深いものだった。
それを述べても良いのだが、このようにフランス音楽に惹かれてしまう自分が、最近はちょっと嫌になる。

クラシック音楽だけではない。10代の頃からシャンソンの類い、ポール・モーリアやレーモン・ルフェーブルを聴いていた。

20歳頃にはフランス語の勉強を始め、ファッション・デザイナーやフレンチ料理のシェフが話すフランス語を聞いては「カッコいいなぁ」と思い続けて、現在にいたる。

それが、かなりの部分「幻想」だと気づかされたのが1年くらい前。

本当のフランスは、映画〈レ・ミゼラブル〉に出てくるようなバッチい国だ。
だから感染症もなかなか治らない。

だが、そのような物理的汚さはまだ良い。

フランスには俗に言う「植民地税」というのがある。簡単に述べると、旧植民地の収入の80%をフランスが持っていく、というもの。旧植民地の皆様は働いても自分達の収入になるのは2割だけ。これでは豊かになる訳がない。

日本のODAも、何のかんのでフランスが巻き上げているようだ。

もちろん旧植民地の心ある人は立ち上がるのだが、それは「クーデター」の名で抹殺されてしまう。

この税収たるや40~50兆円、日本の税収と大体同じ額。道理で彼らは遊んでばかりいる訳だ。

こんなに心が汚い国はあるだろうか。チャイナがあるか……。

こんな状況は、全く許せないのだが、にもかかわらずフランスに憧れる自分が、本当に嫌になる。

だから、(途中を端折ります)

日本の「文化」の力を強めるべきなのである。

日本の文化がもっと世界中に広まれば、私がフランスに抱くのと同じような思いを世界中の人が思ってくれる。
しかも日本の心は綺麗だ。
世界中の人が応援してくれる存在になり得る。

だから、ODAの半額でも文化に回した方が、よほど日本や世界のためになるだろう。
我が国の政府、早くそこに気づいてほしいものだ。

福岡も観光をもっと視野に入れよう!

2021-03-05 19:48:55 | アート・文化
やっと緊急事態宣言が解除になった(福岡は)。

この1億人規模の大騒ぎは、後生に盛大なる茶番劇として伝えられるだろうが、渦中の人間としてはたまったものではない。

最近暖かくなったから、まだ良いものの、電車もバスも窓を開けて走るのには参った。その寒さで風邪をひくとは考えないのだろうか。

飲食店が20時で閉まるのも参った。

福岡は観光する場所がない。自慢できるのは美味くて安い食べ物だけなのに、これを案内できなかったら、何のおもてなしもできないのである。

飲食店で感染すると言われて、閉店時間が早まっているのだろうが、実際は家庭内感染の方がずっと危なく、飲食店に行っている方が安全、というのが統計の結果である。

昔、共産圏を旅行した時、店の人がまるで働く気がなく、店が閉まる時間も早かった。まさか日本もそうなるとは……。

それはともかく、飲食店が開いていないと仕事を早く終わらせて夕食の時間を確保せねばならない。
それができれば良いけど、できなければ大変侘しい1日の終わりになってしまう。

東京の皆さんは、平気で(?)「ではコンビニで何か買って」とおっしゃるが、遠方からわざわざ来てもらって、コンビニ食では福岡の名折れである。

なので、緊急事態がとりあえず終わり、やれやれなのだが、その間に潰れてしまった店もある。どうしてくれるのだ、と問いたい。

が、そこは問題が根深いので、ここでは触れない。

昼間が仕事で忙しいならば、飲食店に直行でも良いが、翌日少し時間がある人、あるいは昼間から時間がある人のために、ちょっと面白いものを作る訳にいかないだろうか、といつも思う。
隣町の太宰府だと少々遠いので。

福岡市長は福岡城天守閣の再建案を出したことがある。が、やはり肝心の市民がピンとこないようで、一向に実現しない。
福岡城跡とほぼ同じ敷地に「鴻臚館(こうろかん)」跡地があって、こちらの発掘作業が終わらないのも影響しているのだろうか。しかし、この作業20年くらいやっているけど、まだ終わらないのか……。

そこまで大規模でなくて良いから、金子堅太郎の顕彰碑を建てるだけでも良い。
現在の西鉄グランドホテル近くで生まれ、やはりその近くでお亡くなりになった明治の偉人である。

と言いながら、私もその存在を昨年知ったばかりなのだが。
それはともかく、その碑文を見れば、日露戦争、皇室典範等、重要な足跡を遺した人なのだな、と思いを巡らせることができる。

人々は、そのようなストーリーに惹かれるのだ。極論を述べてしまえば、そのようなストーリーを感じさせさえすれば良いと言える。

福岡を早く観光のできる街にしてほしいものだ。