昨年の12月にお亡くなりになったと、今頃知った。
どんな絵でもさっさと描ける画伯だったらしい。
さらにウィットに富んだ詩作もできる。
その中の「大志の歌」に井財野は釘付けになった。架空の学校に校歌があったらどうなるか、という内容がまる一冊展開されている。
これは付曲するしかない、と出版社を通して連絡した経緯は、以前にも書いたかもしれない。
嬉しいことに返事が来た。やり取りは全て郵便、安野画伯の絵葉書でお返事がくる。
そして返事の内容だが、残念ながら(?)先約があるとのこと。しかも先約者は、昔ニュースセンター9時のレギュラー出演者だった森ミドリさん。
こりゃかなわないと一旦思ったけど、安野画伯曰く「井財野の情熱」に負けて、こちらが申請した曲に限って許可しましょう、という話になった。
とりあえず何とか許可をもらい、福岡のアマチュア合唱団「混声合唱団トニカ」の委嘱作品として演奏される運びとなった。
が、プログラムが決まってくると、この曲の後に、本格的なジャズっぽい曲が演奏されることになってしまった。
が、プログラムが決まってくると、この曲の後に、本格的なジャズっぽい曲が演奏されることになってしまった。
当初予定の終曲もジャズっぽい「サバダッテバ」だったので、ここはあっさりそれを引っ込め、新たに「おやゆび姫」を書き下ろした。
よって「サバダッテバ」は演奏されていない幻の曲になってしまった。(だからと言って、他の曲も一回演奏されたきりだが。)
それはともかく、安野光雅氏の画家としての才能と同じくらいに素晴らしい氏の「言葉を操る能力」、その一端に触れ、多少なりとも関われたのは、私の大きな財産である。
改めて、その機会を下さった安野氏、混声合唱団トニカに感謝し、また氏のご冥福を祈る次第である。