「メッチャ、アメリカに行きたいんです!」
と言った若者がいた。
ふーん、今でもそういう若い人がいるんだな、と思ったが、その人は宮崎県出身だった。
なるほど、小さい時から太平洋を見て育ったからなぁ、と思った。太平洋の向こう側はアメリカだ。
「海にお舟をうかばせて
行ってみたいな よその国」
これを地でいく話だが、ふと思った。
日本海側の向こう側はロシア、朝鮮だ。
日本海側で育った人が、こんなことを思うだろうか。
この歌詞は、太平洋側を想定しているように思える。
そうなると、行ってみたいよその国はアメリカ大陸と考えるのが無難だろう。
しかも、それは砂浜でなければならない。岩場に立って、そのように優雅な気持ちにはならないだろうと思うからだ。
そう考えると、太平洋側で砂浜がある所はかなり限られてくる。茨城、千葉、神奈川、静岡、高知、宮崎、沖縄くらいだろうか。
北海道、三重、和歌山も少しは穏やかな所があるかもしれないが、せいぜいそのくらいだ。
《うみ》は1番と3番の歌詞がかぶる沖縄の歌か?
それはないとしても、この歌に共感する日本人は以外と少ないのか。
そんなことはない、と多くの方がおっしゃるだろうが、やはり住む場所で海のイメージは当然違うから、私が思う「広いなあ、大きいなあ」とは違う感覚を大勢の方が持っているのだろうなあ、と思う。
私はやはり、国内では太平洋を見ないと「広いな大きいな」とは思えないのである。
太平洋を見たことがない方には是非ともご覧になっていただき、その後「海は広いな」と歌ってもらいたい。