ある日の光景。オーケストラの曲選びの相談。
「矢代秋雄のピアノ協奏曲がやりたい、なんていう現代音楽好きがいるんですよ(困ったヤツめ!)。」
「何?私も好き、ヤシロアキ。」
「(その話じゃなかったんだけど)八代亜紀なら私も好き。雨、雨ふーれふれ、もーっと降れ…」
え?雨雨降れ降れ母さんが、じゃないのか。平成生まれのくせによく知ってるな、という言葉を飲み込み…
「雨の慕情はバッハなんだよねー。」 「…」
ちょうど手にしていたヴァイオリンで、マタイの「主よ、憐れみたまえ Erbarme dich」と「雨の慕情」を交互に弾く。
「あっ!」
「これ、兄に話したら無茶苦茶喜びますよ。」
ではついでに家族全員で喜んで下さい。ちなみに、ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ第4番ハ短調でも可能である。
調子に乗って、奥村チヨの「終着駅」はヴィヴァルディだよ、もやりたかったけど、わっかるかなあ、わっかんねぇだろうなあ。
外山雄三と加山雄三の差異くらいにしておくか。加山雄三にもピアノ協奏曲はあるぞ…。