井財野は今

昔、ベルギーにウジェーヌ・イザイというヴァイオリニスト作曲家がいました。(英語読みでユージン・イザイ)それが語源です。

しなやかに生きて②

2017-03-27 19:02:00 | アート・文化
1979年はどういう年だったか。

スターウォーズやインベーダーゲームもあったが、政治経済的には第二次オイルショックということになろう。

第一次オイルショックで大変な目にあった我々としては、第二次は正直言ってよくわからないまま終わった。省エネという言葉が作られて、アーウー首相が省エネルックを着て、我々も省エネの小論文を書かされたものだが、その程度。

最近調べてわかったのだが、この「よくわからないまま終わった」のは「政治が大変良く機能した」ことらしい。

一言で言えば第一次オイルショックの経験を受け、日銀政策が功を奏した、ということになる。(その後はずっと失敗?)

歌は世につれ、世は歌につれ、とよく言われたものだが、本当に政治がうまくいったことと、この大量のヒット曲とが無関係とは思えないのだ。

この1979年、記憶にある方は是非思い起こしてほしい。日本人の輝きが見えるだろうし、皆がその輝きを取り戻すよすがになれば、と切に思う。

しなやかに生きて①

2017-03-23 21:42:00 | アート・文化
現在5~60代の方々はすぐ「しなやかに歌って」を思い出すと思う。

高校時代の恩師が昨年亡くなり、教えを受けていた当時のことに思いを馳せていた。
その高校において恩師の在任期間は1977~1982、ちょうど真ん中の年は1979年。

その年を象徴するものに想いを巡らせ、たどり着いたのは…紅白歌合戦。

山口百恵が最後の出演、ピンクレディーが辞退、美空ひばりが特別出演、と話題に事欠かなかった回…私は裏番組の「ウェストサイド物語」テレビ初放送に夢中になっていた年のような気がするが…ちょっと調べてびっくり仰天。

歌われた曲の豪華なこと。

舟歌(八代亜紀)
与作
いとしのエリー
魅せられて
関白宣言
北国の春(2年目)
おもいで酒

今なお、大勢の人に愛されている曲、それもその歌手の代表作級が、一部を除き、これほどまでにこの1979年に発表されていたことは驚きである。

これは偶然ではなく、私は必然だと考える。

ピアノを含む室内楽の名曲は…

2017-03-16 11:45:15 | 音楽
結局、三重奏曲、四重奏曲、五重奏曲を合わせて20曲も無い、ということではないだろうか。

一方、弦楽四重奏曲の名曲はざっと一桁増し、くらいの数がある。
それらに接していれば、ピアノ○重奏をやりたいなどとは思わないのが普通だ。

「弦楽四重奏」この充実感、充足感は、取り組んだ人間でないとわからないところがある。そして、うまくいかなかった時、人間関係が最悪になるというリスクも含んでいる。それだけに、安易な気持ちではできない。所謂、矜持のようなものが必要な世界である。

その世界に生きてしまうと、やはりピアノ何とかは「やってあげる」感じにどうしてもなりやすいと思う。その「矜持」は不要だし…。

よって、ヴァイオリン属は「心して」室内楽好きのピアニストに接しなければならないだろう。(極力、失礼のないように。)

そして、できれば「二重奏」をさせてもらうことを考えたいものだ。二重奏ならばクロイツェル、フランク等、枚挙にいとまがないほどの名曲が揃っているのだから。

ピアノ四重奏曲の名曲

2017-03-10 15:11:06 | 音楽
ピアノを含む室内楽は、二重奏でなければ四重奏が最も室内楽的興味をひく、と多くの人が考えていると思う。

なのに、名曲の少ないこと!

まずはモーツァルトのト短調。
「疾走する悲しみ」はピアノ四重奏にもある。が、交響曲や弦楽五重奏曲ほどではないと思う。悲しみと喜びが適度なバランスで迫ってくる感じかな…。

そしてシューマン。これはピアノ五重奏曲と姉妹作品で、ほぼ同時に作られたが、断然こちらが名曲。3楽章のアンダンテ・カンタービレはシューマン至高の世界、必ずやチャイコフスキーに影響を与えたと信じている。

さらにブラームス。2曲あるが、こちらも五重奏曲より名曲だと思う。特に第一番はシェーンベルクが管弦楽編曲をしたほど、内容が詰まっている。
最後を盛り上げるのが不得意なブラームスが、これに限っては嘘のように盛り上げて終わる。

ドヴォルザークも負けていない。変ホ長調のものは、弦楽四重奏曲に引けをとらない内容がある。
三重奏曲、四重奏曲、五重奏曲にそれぞれ名曲を残したドヴォルザーク、そう、彼は室内楽曲の大家なのである。

そしてフランスものから一つ、フォーレの第一番。若さ炸裂の傑作、よくわからないピアノ五重奏曲やピアノ三重奏曲と同一人物とは思えない、情熱と哀愁漂う佳品。

これでおしまい。

ピアノ五重奏曲の名曲

2017-03-03 23:42:00 | 音楽
ことのついでにピアノ五重奏曲の名曲を考えてみよう。

その昔、フランスの作曲家オネゲルが「弦楽四重奏やらピアノ五重奏などという形態はそのうち無くなる」と言っていた。弦楽四重奏については大ハズレだが、ピアノ五重奏については当たらずとも遠からず。

大体、ピアノ五重奏曲で世間に知られているものは何曲あるだろうか。

シューマン、ブラームス、ドヴォルザーク、フランク、フォーレ、ショスタコーヴィチ、おしまい。

ちなみに井財野作品にも10分弱の小品「博多人形師」があるが。

この編成、室内楽にしては人数が多く、バランス的には弦楽器が勝ってしまう。それで、バランスを取ろうとなると今度は内声パートが遊んでしまう。実際、シューマンもブラームスも第2ヴァイオリンとビオラは、かなり暇である。こういうものに弦楽器奏者が熱中することは無いのもむべなるかな。