井財野は今

昔、ベルギーにウジェーヌ・イザイというヴァイオリニスト作曲家がいました。(英語読みでユージン・イザイ)それが語源です。

映画「剣の舞」

2020-08-26 15:27:51 | アート・文化
ハチャトゥリアンが亡くなったのは、私が高校生の時。体育館の中から窓越しに見える校舎を見ながら「亡くなったかぁ」と思った。

晩年は時々来日していたのだ。直前に日本フィルかどこかの客演がキャンセルされた話を聞いたばかりだった。

見たかったなぁ、とか言いながら、まだハチャトゥリアンの曲は数曲しか知らなかったのだから、まぁ田舎の高校生の考えることだ。

されど高校生である。中学生の時は、ショスタコーヴィチが亡くなった。こちらに至っては《祝典序曲》1曲しか知らなかったけど、「亡くなったかぁ」とラジカセを見ながら思った。

されど中学生である。小学生の時ストラヴィンスキーが亡くなった。組曲《火の鳥》しか知らなかったけど「死んだかぁ」とレコードを見ながら思った。

なぜいちいち感じるかと言えば、このお三方は音楽室の年表に載っていたからだ。それを見る度に「この人達はまだ生きている」と思ったのだ。そして、それがなぜか嬉しかった。

という訳で、ストラヴィンスキーは昔に死んで、ハチャトゥリアンは最近死んで、とどうしても思ってしまうのだが、よく考えたら、たかだか10年以内の出来事だ。音楽史上は、同時代の人間として扱われるのだろうな。

そしてその同時代を自分も生きるとはこういう感覚を持つということだろう、と勝手に思っている。

さて、映画は正直「つまらなかった!」

寺原伸夫著の伝記を読んだことがある。大分印象が違うのは、ある程度当然としても、この映画の人物描写、あまりに底が浅いと思った。

《ガヤネー》を改作させられて《幸福》になったのは、それほど簡単な話ではなかったと思うし、肝心の《剣の舞》誕生秘話が大して面白くなかった。

これに関しては、ソ連時代ハチャトゥリアンが自分を演じた映画があって、その昔そこだけNHKで流れたが、そちらの方がずっと面白かった。
これと同等以上でなくては、作った意味ないでしょ、と言いたい。

ロシア映画、頑張って!

ロード:ヴァイオリン協奏曲第6番

2020-08-25 23:54:23 | ヴァイオリン
7番と8番は、多くの人が練習するけど、6番はあまり聞かない。

しかし、弓先のアタックが付けられない向きには、このあたりの協奏曲はとても役に立つ。

とは言うものの、6番はあまり知らないので、この際、少々探求してみた。

そして、あまり取り上げられない理由が一つわかった。

第3楽章である。

モーツァルトに似ているから、その調子で弾き始めると、途中から全く弾けなくなる。
途中が弾けるテンポで弾き始めると、最初が随分鈍重で、非音楽的だ。

これは面倒だ。
弾くのが必須、という訳ではないから、これだと誰も弾かない傾向がすぐに生まれそうだ。

今、見向きされていない理由が、よくわかったような気がする。この曲は第1楽章だけ練習する曲と見なそう。

誇るべき日本人の本「天皇の国史」

2020-08-14 18:52:47 | 学問
著者が「書き出したら600ページを超えてしまった。でも1冊にしたかったから紙を薄くした」と「虎ノ門ニュース」でおっしゃったので、発売日とされる11日に勇んで福岡市の丸善に行った。

すると、そこでは発売日は12日になっていた。

翌12日、福岡を代表していた老舗書店2店舗に行くと、「すみません、17日からの発売のようです。」

その日、福岡の丸善まで行く時間はなかった。こうなると、いよいよ手にしたくなる。

14日(本日)今度は熊本市の老舗書店2店舗に行ったら「すみません、熊本では19日からのようですね。」

地元を盛り上げるために、わざわざ行ったところは全て空振り。そして熊本のTSUTAYAに行くと、7冊も置いてあった。

まだまだ地方の格差はなくならない、という現実が悲しい。

出版業界がネットに押されて苦戦しているのはわかる。だが、正直言って、ジャンキーな出版物とスピード勝負の物がなくなっただけで、内容の深い物はやはり書籍なのだ。つまり、今時の本は内容が濃い物が主だ。

地元の書店は合併するなり、協力して、良書をたくさん品揃えする訳にはいかないのだろうか。

で、この「天皇の国史」、べらぼうに面白い。

天皇の、と銘打っているから古事記が出てくるのは当然として、そこから旧約聖書との比較、古代文明、Y染色体等々、旧来の歴史の概念を大きく逸脱、否、拡大されていて、私の知りたいことが全て書いてある感がある。

これだけの歴史を持っている民族だという事を知れば、誰でも誇らしい気持ちになるに違いない。

日本人みんなに読んでほしい本である。

残っていた「タイム・トラベラー」に感激

2020-08-10 10:39:28 | テレビ番組

偶然見つけた、というよりは、AIが今頃私に情報提供してくれたのだが、1972年のNHK少年ドラマシリーズ「タイム・トラベラー」、最終回だけ存在していて、NHKから放送されていたようだ。

いやはや、もうこれだけでも残っていれば、他のNHKの番組は全て消えても良いくらいの、私にとって超重要な幻の番組だった。

何が重要だったか、改めて拝見して、よくわかってきた。

【1.冒頭のストーリー】
ナレーションは矢島正明だとずっと思いこんでいたので、記憶とはあてにならないものだ。ジェットストリーム以前にお世話になっていたとは……。

それはともかく、この毎回の不思議な話が大好きだったのだ。
今聴いてもゾクゾクする。

【2.テーマ音楽】
こちらも別の方だと思いこんでいた。《鉄腕アトム》の高井達雄だったとは。

とにかく、アイヌのムックリ(口琴、ジューズハープ)とモダンチェンバロの響きにしびれていた。

それに、1フレーズにナポリやドリアが含まれるエキゾチックな和声も、私の心をつかんで離さなかった。

このメロディーの不思議感もとても大事。「続タイムトラベラー」の方は、きれい過ぎて、全く心に響かなかった。

【3.ラベンダー】
このドラマでラベンダーの存在を知った。以来、アロマはラベンダー❗️、で今日にいたる。

【4.超能力
タイムマシン物はこれ以前にもあった。NHKでも「タイムトンネル」というのがあったと記憶している。

それと一線を画すのは、この超能力の存在。
これが、「ウルトラマン!」とか「アンパンマン!」と呼ぶと出てくるヒーローの如く出てくる。「テレパシー」とか「念力」とか「テレポーテーション」など、このドラマで初めて知ったものばかり。

これらを見た時から、私の超能力修行は始まった。スプーンを擦りながら授業を受けたり、般若心経を唱えたりと、超能力関係の本を10冊くらいは買って、いろいろやったものだ。5年くらいは続けたかな。まあ「変な子ども」だった。

これほど強烈な影響を受けたものは、ほかにそうそう無い。
だから、映画「時をかける少女」を観た時は、絶望的にがっかりした。上記の要素が、ほぼなかったからだ。

そして、このビデオに再会できたことが、どれほど喜ばしいことか。
これは再放送されたから、多分その時の録画だと思うけど、ユーマチックという規格で、給料何ヵ月分かの高額機械だったはずだ。
その方にも感謝、である。

おかげで自分がなぜここまで心惹かれたのか、半世紀ほど経ってようやく整理できた。

このような「良いもの」を、あらゆるジャンルでこれからも作っていきたいものだ。

「手の内は明かさない」素晴らしきかな防衛大臣

2020-08-07 08:33:14 | 国際・政治

防衛省のホームページに、しっかり掲載されている記者会見。
文字起こしもされている。

尖閣諸島のみならず、沖ノ鳥島までも、毎日チャイナから襲われている非常時に、「敵国に理解を得よ」とのたまう、とんでもない亡国記者に取り囲まれ、それでも毅然と言い返す河野防衛大臣。

いやはや、さすが!
カッコいい‼️
現在の閣僚で応援したい唯一の存在かもしれない。

父君である(河野談話で有名な)河野洋平に生体肝移植をしたそうだ。浅黒い顔色はそのせいであろう。

親孝行として最高の行動だ。

そして、政治家としては真逆に近い行動をとっている。

正直言って、河野談話のお陰で、日本国民はどれだけ揚げ足とられたか。
もっとも、河野談話も実は曖昧な表現だったのに、韓国側が都合よく(悪く?)解釈して、日本が貶められる結果を招いたようだ。
しかし、河野洋平はここで毅然とした抗議はしなかったのである。

ここが太郎氏は違う。

太郎氏は御父君を政治家としては批判的に見ていたかもしれない。しかし親子の愛情は、それとは関係なしにある。なので、それらの禊としての生体肝移植だったのではないかと推察するのである。

文字通り、体を張っての政治行動だ。

あるジャーナリストが、この会見を見て言っていた。過去の政治家も、このような記者同士の連繋プレーで失脚していったのではないだろうかと。

そうかもしれない、と思った。

それもあり、だからこそ、河野太郎氏には、この調子で日本を守ってほしい、と切に願う。