井財野は今

昔、ベルギーにウジェーヌ・イザイというヴァイオリニスト作曲家がいました。(英語読みでユージン・イザイ)それが語源です。

おめでとう、ストラヴィンスキー(の子孫)

2019-01-21 17:49:37 | アート・文化
言い出しっぺのアメリカは離脱したのに、日本はTPPに加盟したままというのが、どうもしっくりこない。

しっくりこようが何だろうが、今年から発効したようだ。

その報せを聞いて驚いたことがある。

著作権保護期間が死後50年から70年に延びたのである。
TPPには著作権保護期間も含まれていたのだ。そんな報道、あったっけ。

欧米諸国は70年が多いので、まあ欧米並みになっただけだと納得しておくしかない。

しかし、70年は長すぎだろう、と個人的には思っていた。「孫の代まで保護」という考え方である。子供は著作者の犠牲者だったり、著作物の管理を任されたり、ということもあるだろうから、ある意味当然と思うが、孫はどうだろうか。孫をダメにするのではないか、と思ってしまう。

ラヴェルの著作権保護期間は2007年に切れたが、そのとたんにデュラン社は経営悪化して、吸収合併の後、現在はブランド名を遺すのみである。ラヴェルの遺族も骨肉の争いをしていたとか。

2018年までに期間が切れている場合は、それが復活するということはなく、2019年以降の人が今から20年ずつ延びるとのこと。

なので、プーランクや山田耕筰はもう切れたまま、2020年頃の予定だったストラヴィンスキーやミヨーは2040年あたりまで延びる。

日本からの著作権使用料だけのことだが、続けて諸外国へ払われ続けることになった。おめでとうございます、ストラヴィンスキー関係の皆様。残念でした、山田耕筰関係の皆様。

もはや伝統芸能の「現代音楽」

2019-01-17 19:11:00 | 音楽
フェイスブックというのが苦手である。仕組みがよくわからないのである。

が、懐かしい人に出会える媒体でもある。
特に、大学の先輩が友達申請などしてこようものなら「これを断るなんて」ことはできない。

それで、最近友達になっていただいた作曲科の先輩から聞かせてもらった話である。

その先輩作曲家は受験指導もされていて、現在の学生や院生に元生徒さんも何人かいるのだそうだ。

我々が学生だった頃から、かれこれ40年くらい経つ。
だが、現在の東京芸術大学の作曲科学生の作品の発表を聞かせてもらうと、我々の時代とほとんど変わらないスタイルの曲をいまだに作っていてびっくりするという。

かつてベートーベンから40年経つとシューマン、リスト、ワグナーの時代だ。

一方、我々の学生時代から40年遡れば戦争中。橋本国彦、信時潔の時代である。
学生時代に聞いた山田耕筰の話なんて、今思う感覚と同じで大昔の話と思っていたけど、よく考えたら20数年前程度の話だった。

つまり1940年代から1970年代は大幅に変化した作曲様式が、どうもそこでほとんど止まっているようなのだ。

それが聴衆の心を掴んで離さないスタイルならば良いのだが、そうではなくていわゆる「現代音楽」。このほとんどの人が積極的には楽しまないスタイルを40年も作り続けるとは、もはや伝統芸能化しているぞ、と先輩はのたまわった。

伝統芸能の「現代音楽」と考えると、修行のためには良いのかもしれない、と少々愉快になってしまった。

録画をいつ観るか

2019-01-03 16:15:00 | 日記・エッセイ・コラム
年末年始は面白いテレビ番組が目白押し、だった。リーマンショック前までは。

今は、とても少なくなったと思う。
そして、録画しておきたい番組もほとんどなくなった。

昔は忙しかった。紅白歌合戦も全部録画していたものだ。
一回観るだけではもったいないほど手間がかかっているし、世相も反映しているから、と思っていたのだ。

しかし、段々面白くなくなってきた。
歌作りに素人くささを感じてしまうことが増えたから、とも言える。
ので、録画は止めた。

ということもあるかもしれないが、最大の理由はそこではない。
以前書いたけど、DVD-RAMが市場から消え始めたからだ。

私がせっせと録画していたのは教育機関のレクチャーのためである。
紅白歌合戦を教材に使って、ここが面白いとかつまらないとか言うためである。

このDVD-RAMが、世間では使えなくなり始めた。このショックで、録画に対する情熱はかなり失せた。

そうなると、自分で観るためだけの録画になる。

これをいつ観るのか。

まあ、お正月あたりにゆっくりじっくり、と思っていたが、お正月になると、そうは言っても別の番組が一応あるし、テレビの前だけで「ボーっとしてんじゃねぇよ」とチコちゃんから怒られたりして、結局観ない。

なので、半世紀前の習慣に逆戻り。新聞のテレビ欄を見て、観るべき番組を集中して観る。
ありがたいことに、総集編やら連続再放送やらあって、全く観れなかった「西郷どん」やら「義母と娘のブルース」やら、一部分ではあったが、観ることができた。

タイミングが合わなくて、観れなかったものもある。まあそれは縁がなかったと思って諦める。
今どき、観れなかったからと言って地団太踏むような番組はほとんどないし、なまじ録画してしまったら、全部観ないと、と思う性分。そして全部観たら、時間を浪費したと後悔しないとも限らないので、これがちょうど良い。

テレビ局の皆様、2019年も面白すぎる番組を作らないで下さいね。