J-CASTニュースでこんなニュースがありました。<映画評論家の町山智浩さんが、アイドルグループ「AKB48」の前田敦子さん(19)主演映画「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら(もしドラ)」について、自身の「ツイッター」で、「こんな半年後にはゴミになる映画作るなら被災地に寄付した方がまし」などと呟いた。
するとこの映画の田中誠監督から「あなたは映画を実際に観て言っているのか?」とリツィートされ、町山さんが謝罪するというハプニングが起こった。>
私は町山氏をフォローしてるので最初のツイートと謝罪の方も見てたのですが、お互いのやりとりを見てて特に騒動とかハプニングとか思いませんでした。こういうのをわざわざニュースにするあたりJ-CASTも映画の話題づくりに加担してるのでしょうか。
私自身は前にも書いたように「もしドラという小説でヒット出すのはビジネスとしてありだけど、それをAKB主演で映画にするという商売は嫌い」という立場です。ドラッカー自身は立派なことを言ってると思いますが、もしドラだけ読んでドラッカーのマネジメント読まない人も多数いるだろうし、映画だけ見て小説のもしドラも読まない人も多数いることでしょう。こういう尻馬乗りというか便乗企画の映画がヒットしたとして、監督とか主演女優が日本アカデミー賞を取ったりしたらと考えると面白くないなぁと。
そりゃまぁ映像化にあたってはプロが真剣に作るわけですからそれなりに面白くはなるのでしょう。しかし映画としてヒットさせようとすると、ドラッカー云々よりもスポ根とか青春ストーリーとかアイドル作品としての色合いが強くなることは想像に難くないわけで、万一大ヒットしたときに「皆さん、それでいいんですか?」という疑問が生じるわけです。映画に真剣に取り組むというよりは、ビジネス上のステップにするという印象が強かったり。
で、あちこちのブログを見てみるとこの映画については「めっちゃ感動した」とか「面白かった~」とかいう意見が多数。そんなもんですかねぇと思ったのですが、よくよく考えてみれば町山氏とか私のようにはなから期待してない人は見に行かないわけで、AKBのファンだったり映画のCMに魅力を感じた人が出かけていってなおかつ感想を書いてるのでしょう。
町山氏はこういうムーブメントで映画を作ること自体を批判しており、今日のツイートでは<角川映画のやり方を望みます。本を売り、アイドルで集客することと映画作家や俳優たちの冒険を両立させ、中学生たち(宇多丸世代)を深く複雑な芸術に引きずりこみました。後半の要素を切り捨てたフジはより広い観客を取り込み角川時代を終わらせました。>と言ってました。一連の角川映画と今回のもしドラの作り方について比較してみると面白いかもしれませんね。