NHK朝の連続ドラマ「おひさま」はご覧でしょうか? 私は昼に仕事先でテレビがついてるとたまに見る程度。どういう内容かは大体知ってましたが、今週の放送については「泣けた」という声が多いのでBSでの午前中の再放送をまとめて見ました。
知らない人のために説明すると、主演の井上真央は小学校の教師役で現在は第二次大戦の敗戦直前。舞台は長野ですが、疎開してきた生徒の両親が東京大空襲で犠牲になったり、庶民の生活はひもじかったり、学校では竹やりで敵を倒す訓練を繰り返したり、そういう時代です。この手のドラマだと槍玉にあがるのは学校の先生で、男子生徒には「お国のために死んで来い!」と言います。今考えてみると、若者がみんなお国のために死んじゃったら、もし戦争が終わったとしてもその後国家としては立ち行かなくなるのでは?と思います。
そういう極端な先生が悪いのはわかりますが、あのドラマを見てそういう教師がなぜ生まれたか、誰も文句言えなかったのか、どうしてそういう状況になったのか、というのをみんなで考える機会になればと思います。私は「死ぬのはイヤだ戦争絶対反対」というの立場の者ですので戦争は嫌いですが、かといって「戦争嫌い、ダメ」と言ってるだけでは戦争が回避されるかといえばそんなことはありません。「原発は絶対安全だから、万一のときのことを考える必要は無い」というような流れが今の混乱を引き起こしてることを考えれば、「もし戦争が起きたら?」とか「戦争が起きないようにするためには?」ということをもっと話し合ってみるべきだと思う次第です。戦争というものはそもそも相手があってのことである上に、国際紛争の解決手段として厳然として存在しているのも現実ですし。
東京大空襲というと「民間人を虐殺していいの?」という疑問が当然生じるわけで、東京を焼け野原にするのが目的であれば、ナチのアウシュビッツとどこがどう違うのかとかも考えてみるべきではと思います。そのあとにはもちろん広島と長崎もあるわけで、なぜ違うタイプの原爆をそれぞれ使用したかとか冷静に考えてみれば「過ちは繰り返しませぬから」と言って済む問題でもなかろうと。
勝てないとわかってるような戦争に突入したにはそれなりの理由があったのでしょうし、どこがどう悪かったかというのはもっと議論するべきだと思います。右の方の人と左翼の人はそれぞれ意見が極端でお互いの意見を認めないし、当時のマスコミとか政治家の言動とかきっちり検証されてるのかなと思ったり。なんだかんだ言って「明らかにおかしいのに誰もどうにもできない」という現在の内閣の状況を見るにつけ、結局一国民には何もできないのかとむなしさを感じる昨今ではあります。一応来週も「おひさま」見ますけど、段々可哀想になってきて…。