今日のひとネタ

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デビュー40周年につき石川ひとみのシングル曲を語る企画 その12(秋が燃える)

2018年10月19日 | 石川ひとみ

 元々石川ひとみさんがデビュー40周年を迎えるにあたり、ちょっとしたにぎやかしになればと思って半年ほど前から始めた企画ですが、40周年記念コンサートは大盛況で追加公演も決まり、彼女の活動はますます盛り上がりを見せています。なので、こちらもできる限りやっていきましょう。一人で勝手に盛り上がれればいいと思ってたのですが、予想以上に周辺が盛り上がっているので嬉しい誤算です。

 この曲は1980年9月5日発売の、石川ひとみさんのデビューから数えて8枚目のシングル曲。(プリンプリン物語は除いた場合。) 翌月に発売されたアルバム「Inside/Outside」にも収録されています。

 作詞は岡田冨美子さんで、石川ひとみさんには他に「にわか雨」「恋」「夢回帰線」などを提供されています。1972年に作詞家デビューされたそうで、私としても岩崎良美さんの「I THINK SO」、ずうとるびの「みかん色の恋」「恋があぶない」「太陽の季節」「初恋の絵日記」などでお馴染みでしたが、アイドル歌謡以外にもヤング101の「怪獣のバラード」、藤島新&ヤング101「愛の限界」などで知ってました。

 作曲は佐瀬寿一さんで、もっとも有名な作品は「およげ!たいやきくん」でしょうが、やはりずうとるびの「恋のパピプペポ」「みかん色の恋」「恋があぶない」などで知られ、他にもキャンディーズの「暑中お見舞い申し上げます」、山口百恵「パールカラーにゆれて」、畑中葉子「後ろから前から」、殿さまキングス「恋は紅いバラ」などヒット曲は数知れず。幅広い作風の方です。

 編曲は渡辺茂樹さんですが、この人は元々グループサウンズのワイルド・ワンズに加入してデビュー。チャッピーの愛称でキーボードやフルートを担当し、ヒット曲「バラの恋人」ではリードボーカルも担当しました。その後キャンディーズのバックバンドMMPでバンマス兼キーボード奏者として活躍し、キャンディーズの「つばさ」の作曲や、ドラマ「服部半蔵 影の軍団」の音楽も担当されました。実弟の渡辺直樹さんはベース奏者として藤丸バンド、MMP、スペクトラム、AB'Sなどで活躍し、山田邦子の「邦子のかわい子ぶりっ子」の作曲者としても知られ、近年はさだまさしさんのレコーディングなどに参加されています。(まぁこの直樹さんの経歴紹介はどうかと思いますが…) 実妹の南翔子さんも歌手として1984年に尾崎亜美さん作詞作曲の「恋は行方不明」でデビューし、アニメソングの世界でも活躍しました。渡辺茂樹さん自身は石川ひとみさんのファーストコンサートにもキーボード奏者として参加し、その後編曲した曲も多数なので繋がりは深かったと思われますが、残念ながら2014年3月に亡くなってしまいました。

 この曲が発売された1980年というと私は高校2年でした。モスクワオリンピックの年ですがご存じの通り日本は参加をボイコット、11月のアメリカの大統領選挙ではロナルド・レーガンがジミー・カーターを破り、年末にはジョン・レノンが銃殺されました。日本では山口百恵が引退し、ピンクレディーが解散を発表するなど、ある意味激動の年だったと思います。YMOが大ブレイクした時期でもあり世間ではテクノポップという言葉が流行してたということもあります。

 と、曲の話より周辺の話ばかり書いているのは、実はこの曲が苦手というか受け入れ難いということがありました。曲自体はちょっとラテンがかった面白いアレンジで、歌唱もますます深みを増しシンガーとしては脂がのりきってきた頃だったかと思います。が、サビの歌詞はどうにも好かんと。

 当時はグラビアでのセクシー度に段々拍車がかかり「我らがひっちゃんはどこへ行ってしまうんだろう…」と、田舎の高校生男子としてはかなり落ち着かない時期でありました。ただ、この曲の翌月に発売されたアルバム「Inside/Outside」は物凄く好きなアルバムで名盤だと思っており、歌手として応援したい気持ちはあるけれども見ているのは辛いというのが正直な気持ちでした。嫌いになったわけではないのですが、アイドルではない別の音楽に興味を移してしまったのはこの頃です。

 こういう事はなかなか理解してもらいづらいとは思いつつ、あれから38年経ってまた彼女を応援し、初めてコンサートにも出かけ、なんとご本人と握手会で直接お話しまでできてしまったということについては感無量です。40年近くも経てばこちらの心も体も環境もいろいろ変わってますが、石川ひとみさんが今後も歌い続けるということを表明しているからには、今度はどこまでもついて行こうと思っている次第です。そういう意味で、まぁ歌は歌として彼女のキャリアの1ページとしてぼちぼちこの曲も受け入れようかと思ってはいますが…。

 ということで、次回は「夢番地一丁目」です。