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またまた清張作品をば>WOWOWドラマ「眼の壁」(ネタバレあり)

2022年08月12日 | ドラマレビュー

 録画してあった「眼の壁」を見ました。WOWOWの連続ドラマWで放送されたものですが、全5回。番組サイトによると<「点と線」に並ぶ松本清張のベストセラー小説を、小泉孝太郎の主演で連続ドラマ化。手形詐欺に端を発する連続殺人事件の謎を描いた傑作ミステリー。>だそうです。

 清張先生の代表作は「点と線」か「わるいやつら」か「けものみち」か「ゼロの焦点」か「砂の器」かというのは議論の分かれるところでしょうが、私は「眼の壁」が「点と線」と並び称されるほどの作品というのは初めて聞きました。とはいえ、そもそも「点と線」を読んだことないのですが。

 原作は1957年に週刊読売に連載された長編推理小説ですが、このドラマでは舞台をバブル期の1990年に変えてるので、詐欺の規模は桁が違いますし、一応携帯電話も出てきます。とはいえ、90年だとまだ小型の携帯はさほど普及しておらず、登場人物でも持ってない人が多いです。「連絡がつかなくてもどかしい。」というのがかろうじて通じた時代ですね。

 そして、そこは清張作品なのでスリルあり、サスペンスあり、謀略あり、殺人事件あり、冤罪あり、お色気少々、シャワーシーンなし、由美かおるの入浴なし、ワッチコンなしという盛り沢山ぶり(?)です。

 ということで、以下はネタバレありの感想です。見たくない人はご注意ください。ちなみに、今月もまた放送がありますね。詳しくは番組サイトをどうぞ

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 全体としてはまずまず面白くて、全5話をほぼ一気に見てしまいました。ただ、真剣に興味が続いたのは3話目くらいまでで、手形を騙し取られた甲本雅裕が殺されてからはもうどうでもよくなってしまいました。あの人は登場した段階で死亡フラグが立ってましたが、ああいう善人が助からないんだと「小泉孝太郎はなんのために頑張ってるんだ?」と思ってしまいましたので。

 1957年だと「会社が潰れたら大変だ!」という事だったのかもしれませんが、今の時代だと「そこはサクッと警察に相談しましょう。」となりそうな。もちろん会社が倒産して役員だけじゃなく従業員の生活も立ち行かなくなるのは大変ですが、そもそも手形詐欺に遭ったのも資金繰りが苦しくてあちこち駆けずり回ってたところを見透かされたわけで、2億程度の詐欺被害で即倒産というのは、ああやって偉そうにしてるだけで働いてない社長や役員の責任でしょうがと思ってしまうのは、今の時代のせいでしょう。その辺、まだ終身雇用だとか会社のためなら死ぬまで身を捧げるという世界だったのでしょうか。

 あとは、1990年とはいえ容疑者になってる小泉孝太郎があんなにあちこち普通に移動できるかなあというのも違和感あって、そこも入り込めなかった理由です。原作を読んでないのでわかりませんが、どちらかというと元々がどういう話なのかちょっと興味が湧いてきました。原作読んでみようかなあ…。