
トルストイ
望月哲男 訳
『アンナ・カレーニナ3』★★★
さて第三巻
快適読書が続く。
おもしろいことに、この作品を構成する239の章は、34のセグメント(=あるまとまったエピソードの単位)に分かれていて、しかもアンナのセグメントとリョーヴィンのセグメントがそれぞれ17という、いわばバランスのよい構造をなしているという。しかも隣接するセグメント同士はある種のテーマや事件(恋愛における裏切り、過去への回帰、病気、死など)を共有する別の単位を構成している。さらに各部ごとの物語も一定のまとまったテーマ性を持っていて、
たとえば作品の
第一部は「混乱」
第二部は「転進」
第三部は「計画」
第四部は「結合」
第五部は「新婚」
第六部は「田舎」
第七部は「結末」
第八部は「未来」
といった潜在的なテーマにささげられているという。
(第三巻は「新婚」と「田舎」)
ただ単純に読み進めるじゃなくそういった構成原理を見るのもまた+
「パートナーを持つ存在は持たぬ存在よりも生活速度が速い」
「罪(意識)を背負う者は充実した長い生を享受できずに、早く人生の結末に到着してしまう」
不安な気持ちも杞憂に終わった。
どーーーんと構えていればよいんじゃない?(笑)
うちらは変わらないよ。